日本の状況と異なり、ここ数十年で、世界の趨勢は変わってきている。
とりわけ、アメリカでは1990年代、インテリジェント・デザイン(ID理論、知的設計論)の運動が急速に台頭した。
ID理論が科学的証拠に基づいて導き出した重要な結論は、人間は「偶然の産物」ではなく、「創られた存在」だということである。
インターネットを通じた情報提供でID理論を支持する人がどんどん増え、2009年の世論調査ではID理論支持が52%、進化論支持は33%に留まった。
2009年はダーウィンが『種の起源』を発刊して150年の節目で、進化論150年を祝うイベントや出版物があふれる中での現実の姿である。進化論は科学超大国アメリカにおいて理論的に敗北しているのである。
2016年2月の全米世論調査では、「学校の教師は進化論を支持する証拠と批判的な証拠の両方を教えるべきだ」とする人が81%に上っている。
ID理論の運動が始まったのは、1993年夏。進化論に疑問をもつ科学者たちが、フィリップ・ジョンソン・カリフォルニア大学バークレー校法学教授の呼びかけで、米西海岸サンフランシスコに近いリゾート地パハロ・デューンズに集まって真剣に討議した時からだ。
会合のシーンから始まるDVD『岐路に立った進化論』はとても感動的であり、ID理論のポイントを理解するのに最適だ。ID理論が初耳の方には視聴をお薦めする。
日本語版は、ファミリー・フォーラム・ジャパンから出ているので参照してほしい。
今後はID理論とは何か、かいつまんで説明したうえで、問題の進化論とは何なのか掘り下げてみたい。
最後に一言。
米国で起きたID理論による科学革命を知りながら、日本のメディアは知らせない。大手新聞はID理論に批判的な記事を少し掲載したことがあるが、NHKは進化論を支持する番組ばかりを放送し続けている。
結果として、日本ほど進化論を無批判に受容している国は少ないだろう。日本は“知的鎖国”を続けているとしか言いようがない。