よほど不信感いっぱいの顔をしていたんだろう。
その人は、プッと吹き出すと、私の前に片膝を付いて頭を下げた。
「お初にお目にかかります。此度、西方軍第一小隊に配属になりました、捲簾と申します。以後、お見知りおきを」
そして、顔を上げると、
「ってことで、これからよろしく♪」
と、ニッと笑った。
その笑顔に、一瞬どきっとした。出かかった言葉が、喉に詰まる。
「アンタの事は、天蓬から聞いてるよ。下界から帰ったら来るだろうこともね」
はぁ?
てか、いったい何処まで喋ったのよ、天ちゃん…
「あの~…」
「何?輝ちゃん」
「天蓬、何処まであなたに話したんですか?」
すると、一瞬キョトンとした表情の後、声をあげて笑った。
「何、そんなに気になる?」
「////…っ!」
顔がカァっと熱くなる。
「はっは、悪りぃな。俺が聞いてるのは名前と、大事な幼なじみだって事だけだよ。彼女なんかじゃない、なんて写真まで飾ってあるくせによ?」
視線の先には、数年前のツーショットが、変わらず飾られていた。
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最初から見たい時は
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