小さな恋の行く先は【1】 | 今日の戯れ言

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「天ちゃん、帰ってるんでしょ?」

「天蓬なら今、風呂入ってんぞ?」


下界に討伐に出ていた幼なじみを訪ねた私を出迎えてくれたのは、見ず知らずの男の人だった。


少し着崩した軍服。

天ちゃんとは違った煙草の匂い。


しまった、部屋を間違えた?
頭が真っ白になった。


「彼女、大丈夫?」


少し低めに響くその声で、我にかえった。


「ごっ、ごめんなさい。部屋を間違えたみたいです」


慌てて部屋を出ていこうとした私に、その人は笑いながら言った。


「天蓬の部屋だろ?間違ってないぜ、輝ちゃん」


名前を呼ばれて、思わず振り返った。そこには、さっきの男の人が、煙草をくわえたまま、ニンマリと笑っている。


私、こんな人知らないよ?

てか、なんで私の名前、知ってンのよ?


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