一緒に学習をしている子どもたちから度々聞かされるのが、「夜眠れない」「朝起きられない」などの訴えです。
睡眠の乱れは人間のパフォーマンスを著しく低下させます。
この「睡眠の乱れ」にどう対処すべきか?
私がいつも子どもたちに伝えている対処法を3つシェアさせて頂きます。
その1 朝日を浴びる
メラトニンは脳の松果体から分泌される睡眠を誘発するホルモン物質です。
メラトニンの分泌は光によって調整されていて、朝目覚めて日光を浴びると、その分泌が止まり、
目覚めてから14〜16時間後にその濃度が再上昇することで人は眠気を催します。
だから朝起きて、太陽光を浴びることで乱れた睡眠のリズムがリセットされ、夜になると眠くなるようになるのです。
また朝日を浴びるとメラトニンの材料であるセロトニンの合成が促進されます。
セロトニンは精神状態を安定させてくれる神経伝達物質なので、
朝日を浴びることで心穏やかに過ごせるようにもなります。
朝起きたらまずカーテンを開けて朝日を浴びましょう。
その2 入浴
赤ちゃんを抱っこしていると分かりますが、彼らは眠くなると身体がポカポカしてきます。
この体表面の温度上昇は何に起因するかと言えば、深部体温の低下によるものです。
身体の深部が放熱し、その放熱によって体表面の温度が上がるのです。
要するに、人は眠くなる時に深部体温が下がるのです。
そしてこの深部体温の低下に寄与するのが入浴です。
入浴に伴う一時的な体温の上昇を緩和するために人の身体は熱を放ちます。
この放熱に伴って深部体温が低下し、人は眠気を催すのです。
そしてこの入浴後の深部体温の低下は、入浴の約90分後に起こります。
つまり眠りたい時間の90分前までに入浴を済ませておくことで、スムーズに入眠できるようになるのです。
入浴の仕方は、熱々ではなく約40℃くらいの温めのお風呂に15分ほど浸かるのがオススメです。
その3 刺激物を避ける
入眠の2時間前からは刺激物を避けることも大切です。
刺激物とは具体的には、食事、カフェインやアルコールの摂取、テレビ、ゲーム、速いビートの音楽、スマホなどです。
中高生の睡眠の乱れに深く関与しているのが、スマホです。
スマホの画面から出るブルーライトという波長の短い光があります。
このブルーライトは昼間の青空から降り注ぐ光と同じ波長を持つため、
視覚からこの光が入ってくると人の身体は今昼間だと認識し、
睡眠誘発物質であるメラトニンの分泌を止めてしまいます。
つまり眠れなくなるということです。
だから眠る2時間前からはスマホには触らないことで、睡眠の乱れが改善します。
またスマホの過剰使用によって、うつ症状や不安感が誘発されることも研究により分かっています。
スマホは便利な道具ですが、このような危険もあるので、1日のスクリーンタイムは2時間以内とすることを強くオススメします。
以上が睡眠の乱れを訴える子どもたちに普段私が伝えていることです。
もしお子さんが「眠れない」「朝起きられない」など訴えているようならば、ぜひ試してみてください。