書籍のご紹介です。
生きづらい時代と自己肯定感 高垣 忠一郎 著
臨書心理学者として、長年不登校、引きこもりの問題に携わってこられた、高垣忠一郎さんの著書です。
子どもの世界に限らず、大人の世界にも蔓延する「生きづらさ」を自己肯定感というキーワードから考えた一冊です。
高垣さんは自己肯定感という言葉を「自分が自分であって大丈夫と思える感覚」と定義します。
「自分が好き」、「自分は素晴らしい」ではなく、「自分であって大丈夫」との表現がいい得て妙だと感じます。
自己肯定感とは、自分の至らなさを抑圧して秀でた部分だけを周囲に誇示するようなヒリヒリとした質感のものではなく、
自分が自分という人間に安んじていられるという、もっと穏やかなものだと私は考えているからです。
なぜ子どもたちは引きこもるのか?
生きづらさとは何なのか?
そしてそれはどこからやってくるのか?
高垣さんの著書は、そういう問いに対峙するための見取図を与えてくれる一冊でした。