ここ数回、インターネット・ゲーム依存について綴っております
「ネット・ゲームくらいいいじゃないですか」
そう言われる親御さんも多いですが、そうではありません
ネット・ゲームはアルコールや薬物と同じような依存性を引き起こし
脳の構造自体を変えてしまうこともありえる、と紹介して参りました
推計で、中高生の8.1%、人口にして約52万人がネット依存状態にあるという調査結果もあります
今回はもしそのような状態が疑われる時には、どう対処したら良いかを考えてみました
=「問題」ではなく結果=
目に見える「問題」は実は問題ではなく
今まで積みかさねてきたことの結果であった
積み重ねてきたことがある日閾値を超え
「問題」として顕在化するのであって
それ自体は「問題」ではなく結果であった
そんな場合もあるように思います
インターネット・ゲーム依存という「問題」もその一つであると考えます
その行為だけをやめさせようとしても、本当の問題に目を向けない限り
また違う形で「問題」として顕在化してくるでしょう
=何が子どもにそうさせるのか?=
前回の記事にも書きましたが
人を依存に走らせるもの
それはこっちを見てもらえない寂しさ
すべての場合について言い切れるわけではありませんが
そういう場合がとても多いと感じます
このままでは依存ではなく病的な依存症になってしまう
そういう場合には子どもから力ずくでネット・ゲームを取り上げる
そういう対応も必要な場合もあります
ただ、取り上げて子どもがネット・ゲームをしなくなった
それで解決、ではありません
なぜならそれは「問題」ではなく結果だからです
抱え込んだ寂しさに目を向けて、その感情をケアしてあげない限り
その子はまた違ったやり方で自分の抱えた苦しさを表現し始めるでしょう
=寂しさに目を向ける=
寂しさに目を向けるとは具体的にどうすることでしょう?
私だったらこうされると嬉しい、こうされて嬉しかった
色々考えてみました
・子どもの話を聴く時間を増やす
話を聴くとはどういうことか、こちらも読んでみてください
「子どもが話をしてくれないんです」
そうは言っても話してもらえないことのほうが多いかもしれません
それならば
・毎日笑顔であいさつする
・毎日短い手紙を書いてみる
・普段の料理を手間をかけて作ってみる
そういう会話が無くても成り立つ関心の寄せ方もあるように思います
それからスキンシップも大切です
中高生になると抱っこするとか、一緒にお風呂に入るとかは難しいかもしれません
でも肩を揉んであげる、足をマッサージしてあげる
そんなスキンシップであればとれるのではと思います
寂しい時、自分はどんな接し方をされたら嬉しいだろう、嬉かっただろう
ご自身で様々考えてみてください
人を依存に走らせるもの
それはその人が抱え込んだ寂しさ
そう書いてきましたが、文章を綴りながらもう一つあることに気づけました
人を依存に走らせるもの
特に不登校のお子さんには当てはまることのように思います
次回は依存を引き起こすもう一つの原因についてつづりたいと思います
※注
上記は依存傾向にあるお子さまの接し方について綴ったものです
依存傾向ではなく依存症が疑われる場合は、医療機関へご相談されることをお勧めします
依存傾向なのか依存症なのか判断を迷う場合は以下を参考にしてみてください
久里浜医療センター インター ネット依存スクリーニングテスト