誰かに自分の意見を認めてもらうことって難しくないですか?

立場的に上下がはっきりしていたり、

人間的に敬っている相手とかだと問題ないかもしれないけど、

年齢的に近かったり、仕事的にも同じように頑張ってきた間柄だと、

お互いが持ってる想いを共有することって意外と難しい。

 

先日、旧知の間柄の職人と膝詰めで話した。

どうしても解ってほしかったことがあるからだ。

結論から言うと、何時間もかけた割には意味が無かったような。

いや、意味自体はあったのかもしれない。

僕もそうだけど、彼も、職人と言う括りでは、

もう誰かに意見されたりとかはほとんど無いと言っていい。

だから、言われること自体に気付きだったり、発見だったりがあるのかもしれない。

 

この飲食業界はコロナでとてもピンチなお店も多い。

でも逆に業績を伸ばしているお店もあるんです。

彼の所なんてその典型。

素晴らしいことだと思うんです。

 

でも、それを作っているのは多くの社員であり、若い職人たちです。

彼らは、その店に憧れ、シェフを目標として働いてます。

会社って僕のものでは無いし、店だってそう思う。

働いてくれる人たちの健康を願い、将来を共に考えるのが普通だと思う。

そうあってほしいと願ってはいるけど、

僕が育った数多の店でも、競争原理と理不尽とシェフ至上主義のオンパレード。

 

今の時代でも同じようなことが日々続いてることに驚きます。

何もかも昔のことを批判もしないし、間違ってることばかりじゃないと思う。

実際その環境の下で僕は育ち、パティシエとして名を成した。

でもね、奴隷制度のようなことを強いてるお店には独特の空気感がある。

どこも同じような負のオーラを発している。

 

約束は大切だよ。

僕はそう彼に言いました。

彼は「紙に書いたわけじゃないし。」そう言いました。

夢や希望を抱いて、このつらく長い修行を選んだ人間に、

入社の時に口約束であれ、何年でこうで、ここまで育てる。

そう言ったこと、その言葉に感謝し、努力をしてきた人間に、

せめてもの誠意を表すのは当然と考える。

それすら出来ないし、その人の人生設計のことを考えてあげないなら、

人な雇わない方がいい。

 

自分が自分だけで今の地位を築いたと勘違いしてる。

沢山話したつもりですが、

どうにも話は上手く伝わらない。

もどかしく辛い夜でした。

とても長い夜でした。

残念です。