アジアの国々では、過去のSARSMERSなどの教訓から学び、今回のパンデミックでは危機管理体制の強化、ITを利用した接触者調査や警報システムの構築、検査キットの迅速な開発・拡大、徹底したリスクコミュニケーションなどを果敢に実践してきました。

対策を緩めすぎたり、人びとが油断しすぎたりして再流行が始まった場合には、またハンマーで叩き、収まったら再びダンスを始めるというように、「ハンマーとダンス」を繰り返す必要があるのです。

 今後はすべて禁止ではなく、リスクの大きさを考えながら、地域別、活動別、フェーズ別の具体的な戦略と対策を練っていく必要があります。

 リスクゼロ、感染者ゼロをめざすのではなく、ある程度の許容範囲をもち、そのなかで社会・経済活動を活性化していくことが必要でしょう。コロナ禍は国家的、そして世界的な危機であるが、この難局を確実に乗り越えなければならない。むしろいまは、危機によって世界が生まれ変わる好機である。「見えない敵」と闘っているあいだ、私たちはいままで「見えなかったもの」が見えるようになった。何が良くて何が足りなかったのか?平和主義平等を訴えていた人があっという間に差別行動に変わった。人間の本質と人は生かされていることに気付く。

 個々に大切なものの見方も変わって、本来の自分を取り戻し、国はそれぞれの国として、人は人として生きて行くことになるでしょう。

 

担当 リライにゃん