兵庫県の西宮と宝塚のあいだに
「事故の責任は負いかねます」
と、鉄道会社が警告を発する廃線の道がある。
ちなみに僕も近づいてくる異性には
「責任は負いかねます」
と、伝えておくことにしている。
(ウソ)
歓迎する気なんてさらさらなく、
むしろ「面倒だから来ないで欲しい」というネガティブ感。
でも、廃線の道に魅了されて人がやってくる。
同様に、さまざまな異性からのアプローチが
私のところにやってくる。
(ウソを重ねる)
実際に歩いてみると、
この廃線の道は実にエキサイティングだ。
足元には激流が流れている。
見上げると雄大な岩の壁が見える。
丸出しの枕木が電車が走っていた事実をつたえ、
線路が延びていたまっすぐな道がなにか郷愁を感じさせる。
途中には何本かトンネルがある。
照明なんてないから真っ暗だ。
本当に何も見えない。
ライトがなければとても歩けない、
日常では体験できない真の闇がそこにある。
とにかくリアルなんだ。
そこが面白い。
楽しさを押し付けられることもないし、
とってつけた薄っぺらさもない。
なんといっても素材がいい。
この廃線の道には価値がある。
こんなこと鉄道会社は考えてもいないなんだろう。
「廃線を勝手に歩くな」
「何かあっても文句言うな」
どちらかといえば、こんなスタンスだ。
でも、残す価値があるし、
活かすに値する素材の良さがある。
実際、軽井沢のほうの廃線では、
廃線を歩くツアーなんてものも企画されていたようだ。
こんな廃線の道も、社会の資産として生かして欲しいな。
まちがいなく宝だと思う。
なお、積極的にこの廃線の道を残して活用していこう、
となった場合のために釘をさしておきたい。
過剰な保護や手入れは絶対やめるべきだ。
やもするとやりすぎて元の良さを失わせかねない。
やっぱり廃線なんだから、
「さびれた感じ」や「ほったらかし感」が欲しいなのだ。