【反抗期】
「おとなしく手を上げろ!」
「嫌だといったら」
「なら死ね!」
”バキューン”
「ここは死後の世界です。お前は死んだのです。人間界への未練を断ち切りなさい」
「嫌だといったら」
「なら生き返れ!」
「あっ、マサノブの意識が回復したぞ!」
若者たちが幽霊が出るという廃病院へ肝試しにやってきた。
中は荒れ放題だ。
二階へ行こうとしたその時!
”ガタッ”
一同、音がした方を振り返る。
”ニャ~”
「なんだ猫かよ。驚かすなよ」
「猫なんかにビビってんじゃねーよ」
「うるせーよ」
それは猫の幽霊であった。
「爺ちゃん、『爺ちゃんごっこ』やろー」
「なんじゃと?」
じゃんけんぽん
「爺ちゃん負けたから爺ちゃんが爺ちゃんね」
「何をすりゃいいんじゃ?」
「あ、それ爺ちゃんぽい」
「それってどれじゃ?」
「すごい、本物の爺ちゃんみたい」
「…お前は本当にアホで可愛いのう」
【すき焼きの予感】
「あ~、いいアイデアが思い浮かばない」
「ねぇ、コロンブスの卵って知ってる?」
「知ってるけど」
「今日特売だから買ってきて。それと長ネギと砂糖も」
「あいよ」