G型しょうゆさしの次は「平茶わん」。
こちらも森正洋氏の代表作のひとつです。
1993年グッドデザイン賞受賞。
現在は100柄が定番として生産されています。
大ぶりで浅めの器はごはんを美味しくいただけるだけでなく、
煮物椀や小鉢として多用途に使えます。
森氏自身が
「毎日使っている器はとても保守的で、
なかなか手が出せないものです。
みんながもっとも必要としているもの、
それが一番難しいデザインです。」(前掲書P90)
と語っているように、日本人にとってもっとも身近な器、お茶碗。
その当たり前のお茶碗に新しいデザインをもたらすために
3種類の形のお茶碗を3年間持ち歩いて、
行く先々で若い人たちに「どの茶碗で食べたい?」と尋ねたという。
そして固定化された飯茶わんの概念を、
現代の食卓にあわせて作りなおしたのでした。
広くなった食卓や、冷暖房の聞いたダイニングで使う
新しい暮らしに根ざしたデザインです。