台風が過ぎて行ってぱたっと秋が来ました。
昨日がちょうどその境目くらいだったでしょうか。
雨が降ったりやんだりのお天気の中、
趣味の美術館巡りに出かけました。
最初は「小林一三と松永安左エ門」をやってる逸翁美術館へ。
ほぼ同じ時代を生きた大正~昭和の政財界人で茶人の二人。
茶の湯を通じての深い親交がありました。
その二人のコレクションを対比しながら観られる趣向。
遅れて茶人となった松永耳庵はかえって正々堂々と王道を行こうとする。
逸翁はその点肩の力が抜けて洒脱。
なかなか面白い展示会でした。
うるさい観客にびしっと注意してくれたスタッフにも拍手。
そしてせっかく池田まで出かけたので脚を伸ばして宝塚の清荒神へ。
平日の参道は露店も閉まって閑散としています。
何十年も昔、母が元気だったころに何度か一緒に来たことがあるけれど、
細かい記憶はもうほとんどありません。
今回の目的は鉄斎美術館です。
大和文華館で観た絵がきっかけで、最近お気に入りになった富岡鉄斎。
今さらですが宗教観の溢れる画風がすんごくいいです。
入館料300円で堪能しました。
人の少ない境内もとても美しい。
ふらっと立ち寄った史料館では富士にちなんだ入館無料の特別展。
どっひゃー、すんごいお茶碗とかがいっぱい。
なんだか一粒で二度おいしい清荒神清澄寺でした。
そのまま大阪まで戻って今度は藤田美術館。
こじんまりした素敵な美術館です。
やっぱり日本の美術は仏教とは切っても切れないんだなぁ…。
そしてせっかく大阪まで出たのでちょっとお買い物をし、
ブリーゼブリーゼで食事して戻りました。
なんだか大阪都心の商業施設はどこも元気がない気がする。
そもそも東京ほど消費のパイがないところにもってきて
新しい施設や百貨店の増床やで店を増やし過ぎと思う。
今朝金継ぎでお会いしたマダムもちょうどグランフロントに行ったそうですが、
あれほどの人出だったのがウソのように閑古鳥が鳴いていたらしい。
もうね、そういうただ「新しい」もので騒ぐのはやめましょうよ。
リニューアルはやめてじっくり「良い」方向に改善しましょうよ。
と、誰にも届かない声をあげてみるのでした。
そして今日の猿沢池のほとり。
爽やかな秋晴れの下、小学生が行進するのを微笑ましく見つめる。
奈良はへんなことせずにこのままでいいです。