勤務先のK高校の卒業式だった。
式終了後、
準備室にいる私のところに、
次々に卒業生が顔を出しにきて、
挨拶をしていってくれた。
そして、そのうち、
いつも、私の準備室に入り浸っていた5人が、
揃ってにぎやかにやって来た。
このメンバー、バカばっかりやっているのだけれど、
仕事ができてセンスもある、すごいコたちだ。
おめでとう と言う私。
ありがとうございました と、口々に言うみんな。
いやいや。
ありがとうと言いたいのは、こっちの方だよ。
ルーキー先生だった私。
上手くいかないことだらけの中で、
いつだって味方をしてくれた生徒達。
この生徒達に信頼されている。
この生徒達は、絶対私を裏切らない。
この想いを確信できることが、
私の拠り所になっていた時期だってあった。
こう思えたことが、どんなに励みになったことか。
この生徒達が、私を支えてくれた。
突然、みんなが歌いだした。
何かと思ったら、そのうちの一人が、
私にプレゼントを差し出した。
きっと忙しいだろうに、
お金もないだろうに、
何で私なんかに、プレゼントを用意してくれるんだろう。
プレゼントと一緒に、
みんなが写っている写真と、
生徒一人ひとりからの、丁寧な手紙が入っていた。
帰りの電車の中で、
一人で、手紙を読んだ。
私にはもったいない言葉が、
たくさん並んでいた。
涙ぐまずにはいられなかった。
アイさん、ヤマさん、サオリさん、セレブ、シロウくん、
私は本当にあなた達に会えてよかった。
卒業しても、いい関係を続けていきたいと、
私は切に願っています。
みんな、卒業おめでとう。
新しい環境でも、羽ばたいて欲しい。