◎『GO WILD』人間が進化の中で必要としてきた食事とは。ここでもテーマは『多様性』。


ごはんが大好きな大森です。

それゆえに、損をしてたことがたくさんあったかも知れないなと思いました。

今回は、食に関するお話です。


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食事に関する情報は、様々なものがあり、もうどれを信じて良いのか分からないですね。

その中で、この『GO WILD』は「人間の進化」や「文明の歴史」を元に、人間の食が本来どうあるべきかに書かれています。



まず人間は様々な動きをすることができます。

歩く、走る、ジャンプする、投げる、拳で殴る、蹴る、持ち上げる、握りしめる、、、

この多様な動きをするために、脳は大きく発達し、そのために多くのエネルギーを必要とするようになりました。


しかしながら、人間の胃や腸などの消化器系にはパラドックス(矛盾)があり、

二足歩行をするために体幹をコンパクトに、さらに腹筋などで覆う必要があったため、消化器系を大きくすることができなかったのです。

消化器系が小さいということは、植物を消化することが苦手ということです。

一方、草食動物はいくつかの胃と長い腸を持っています。

そこで、 人間は草を食べている(太陽の恵みを大いに取り入れた)草食動物の肉を食べることで、エネルギーを得るようにしたのです

ちなみにここでの重要なポイントは、動物の肉とは、筋肉の部分だけでなく、内臓や脂肪なども含めているということです。

筋肉にはたんぱく質が多く含まれますが、内臓や脂肪にこそ、それを代謝するための微量な栄養素が多く含まれているからです。


たんぱく質や脂質、炭水化物を体内で代謝するためには、微量な栄養素を多く摂り入れる必要があることは今まででも分かっています。

そのために人間は多様な食べ物を食べられる「雑食」になりました。

脳が多くのエネルギーを必要とするということは、より効率の良い代謝システムが必要であり、

そのために、人間はより多くの種類の食べ物を摂ることが必要とされているのです。



雑食については、誤解があったと自分でも思います。

雑食とは「何を食べていても大丈夫」なのではなく、
あらゆるもの、バラエティに富んだものを食べる必要がある」ということだったんですね。

ここは、食を考える上でとても重要なポイントです。


「何々ダイエット」で「何かを食べれば痩せられる!」というのは、そもそもムリがあったという裏付けにもなりますから。



さらに、近年注目されている「低炭水化物ダイエット」にも歴史的な意味があるようです。

穀物を栽培して安定した農業が生まれたのが1万年前と言われていますが、

人類の祖先であるホモ・サピエンスが生まれたのが300万年前とされているので、

農業、つまり穀物を中心とした食生活は、人間の設計図としてはまだ日が浅いものなのです。


先に書いた雑食性を考えると、米や小麦などの穀物を食べることが悪いことだとは思いませんが、

それにしても「主食」という名前が付くほど、毎食毎食あれば、それは過剰になっていたとしても不思議はないと感じます。

炭水化物が多すぎて、それを代謝するための微量栄養素や体内の代謝システムが追いつかなくなっているために、現代病が生まれていると書かれています。

説得力のある話だと思います。


今流行りの「低炭水化物ダイエット」について補足するならば、

・炭水化物の中でも、穀物を控えるべきで、果実などは積極的に摂るべきである。

・ただ穀物を減らす、だけでなく、代わりに「バラエティ豊かな食事」をするべきである。

この2点をおろそかにすると、低炭水化物ダイエットが健康を害するものになっても、それは人間の設計図上では当たり前のことになるんですね。



また、1万年前から行っている穀物中心生活ですらカラダのトラブルを起こすと考えれば、

それより更に近代になって生まれた「工業的油脂」である「トランス脂肪酸」(マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド)がカラダで代謝できない(あるいは代謝するために異常にエネルギーを消費する)のは、全く当然のことと言えますね。



ちなみに、牛乳については、乳糖を代謝できる人とできない人がいるのも進化の歴史で説明が付くようです。

基本的には代謝できないのですが、北欧など、太陽光が弱いところではビタミンDを皮膚で合成しにくくなるため、牛乳にからビタミンDを得られるようになったということです。

地域によっては発酵させることで、つまりチーズなどの形で乳糖を取り除き、ビタミンDを摂取する地域も生まれたということです。

代謝を微生物に外注した、という表現が書かれていましたが、言い得てるなと思いました。



他にも食に関して様々なことが書かれています。

食に関しては諸説ありますし、この本が全てだとは思いませんが、

しかし、多くの研究データを基にしていること、そして栄養だけではなく、人類の進化の過程、運動や睡眠、社会的なことまで「どう関連するのか」というところまで言及されていて、それに矛盾がなく説得力があると感じる内容になっています。


冒頭にも書いた通り、ごはんが大好きだったのですが、すぐ眠くなったり集中力が続かなかったりしたのは、代謝がスムーズにいかず、エネルギーが無駄に消費されていたのかもしれないな、と思いました。

…意志の弱さを食べ物のせいにしちゃアカンですかね。笑





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今回も最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この本『GO WILD』は、現代病、食事、運動、睡眠、精神、自然との調和、同族意識、脳科学という幅広い切り口から、現代の生活をより良くするための提案がなされている本です。

ぜひぜひご一読をオススメしたい本です。(^-^)

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皆様がより快適でいられますように。


大森 剛 / OMORI TAKESHI  

ひとりひとりのカラダと向き合い、バランスを整え、心身を快適にするサポートをしているコンディショニング・インストラクター。

→1対1でカラダのコンディションを整えるところからスタートしたい場合は『パーソナルトレーニング』がオススメです。

→より自分と深く向き合うための『ヨガ・パーソナルセッション』も行ないます。

→少人数制のヨガレッスン、有酸素運動でカラダを引き締める格闘技系レッスンも行なっています。
東横線・元住吉のフィットネススタジオ・カラーズ

→大手フィットネスクラブにて、パーソナルセッション、ヨガや調整系のグループレッスンもしています。

→ウェブサイト 姿勢改善。動き改善。ラージフォレスト