バレリーナ芸人さんバッシングに思う | 凛々かる生活 in パリ

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凛として、そして軽やかに♪
原始反射統合+クラシックバレエによる【4Bムーブメント】や、強みと資質を読み解く【クリフトンストレングスセッション】等をパリから提供しているSurrusca 亜伊子のリリカルな、そしてちょっとマニアックなパリ統合生活をお伝えするブログです

なかなか気温が上がらない、フランス・パリからBonjour♪

お天気は良いんですけどねぇ‥‥まだ気温が13℃とか。

風も冷たくて、ポカポカ陽気には程遠い💦

予報によると来週は17℃ぐらいに上がるっぽいアップ

 

さて。

本日のお話。

 

ちょうど,私のオンラインでのバレエワークショップの日程と、日本のバレリーナ芸人・松浦景子さんがバッシングされた!というニュースが重なったので書いてみることにしました。

 

松浦さんのニュースはこちらを参照↓

 

実は私、彼女のyoutubeはよく拝見してます。

バレエの先生あるあるシリーズとか、声出して笑ってます。

 

これ、まんま私じゃんっ笑い泣き   とかね

 

1つのソロを、「関東風」と「関西風」に分けてる動画とか。

面白過ぎて、バレエ仲間にリンク送ったぐらいですから(笑)

(関西風のライモンダ「なんかしゃべってるみたいになるやつ」とか、後から思い出し笑いするぐらい)

 

とまあ、ある意味「お高くとまった別世界のバレエ」というものを、笑いに変えるという新しいスタイルの芸人さんなワケですが。

 

彼女の踊りを見れば一目瞭然で、めちゃくちゃ上手いんです✨

趣味レベルでなく、人生全て注ぎ込む覚悟でバレエと向き合って来た方なんですよね。

しかもお話から察するに、恐らくは未だ日本に残る「昭和のド根性バレエ」で叩き上げられた方なのではないかと・・・・・

 

そのレベルの人だから分かること、見えること。

そして、一度バレエの世界から出て、客観的にバレエ界を見た人だからこその視点。

 

今の彼女のポジションとは、そういうものなんじゃないかと思って見ていました。

 

それが「芸人のくせにバレエを教えるな!」とか「バレエに失礼!」とか言ったクレームを大量に受けている、とのこと。

 

それでね。

さっきも書きましたが、昨年末にある方から、

 

「大人の夢を叶えるバレエワークショップを開催して欲しい」

 

というご依頼を受けまして準備を進めていたのですが、それがちょうど松浦さんのニュース報道と同じタイミングでの開催だったのです。

 

このワークショップ、

 

バレエに憧れたけど、親に反対されて習えなかった

身体が硬くて諦めた

脚が太いからできなかった

内股だからチャレンジできなかった

太っていてレオタードが着れなくて

 

・・・・と、一度は諦めた「あの時」の夢を叶えよう!という企画

 

これね。

昔から違和感持ってたやつ滝汗

今回のお話いただいた時に、再びの違和感。

 

親に反対・・・はまだ分かるんですけど。

 

身体が硬いから/脚が太いから/内股だから・・・・といった、こういう理由がイマイチ理解できなかったんですよ滝汗

 

私は、20年ほど前に「大人初心者さん専用バレエクラス」というものを主宰していたのですが、その時も、問い合わせや体験レッスンの時に必ず聞くのが、

 

私、身体硬いんです💦

私、太ってるんです💦

 

という、自己申告。

いやいや、そんなん尋ねてないですから✋と、思ってたんですけどね。

 

真面目に回答すると。

 

バレエのレッスンを頑張ることで、筋力もつくし、股関節の外転もできるようになったり、柔軟になったりするもんです。

 

 

たまに「最初からバレエ向き」みたいな骨格の方は確かにいます。

バレエに向いた筋肉の質をお持ちの方もいます。

 

でもね。そういう方達だって、長~くて地味~な訓練を繰り返すことで踊れる身体になっていくワケで、いきなりヒラヒラクルクル踊れるわけでは決してありません。

その、トレーニングの積み重ねで、余計な脂肪がそぎ落とされて、華奢だけど強くしなやかな身体になっていくワケで。

 

とはいえ、骨格や筋肉はそれぞれですからね。

バレリーナのみんながみんな、同じ身体つきじゃ無いんですよ。

案外、脚太めの方だってたくさんいますよ?

逆に太ももがすごく細くて、ふくらはぎが発達していて、サイズ同じ?と、見える方だっています。

 

と、まあ。そういうわけで。

皆さんがイメージされるバレリーナの容姿って、最初からそうだったワケではないんです。

3歳とかからバレエを習い始めて、青春時代全て注ぎ込んでコツコツと努力して手に入れたものなんです。

 

なので、バレエ未経験の大人の方から、

 

身体が硬いので~

とか

脚が太いので~

 

と聞くと、正直「????」となってしまう💦

だって当たり前だもん💦

 

特に、大人から始めるバレエって、「楽しむ」ために始めること!

ここからプロのバレリーナを目指すワケじゃないんだもん。

 

スイミングやテニスを習うのと同じだと思うのですよ。

それが、なんでバレエとなると皆さん急に変わっちゃうのかな?と。

 

で今回、松浦さんのニュースを見て「なるほど!」と気づいたわけです。

 

バレエは特別なもの

 

そんなイメージが浸透していて、さらにそれはバレエ関係者から出ているものだったのかも!!

 

松浦さんに苦言を入れていたのは、バレエ関係者やバレエ教師だった、というのがね。

 

「私達の愛する素晴らしいバレエを芸人が汚さないで!」

 

という気持ちからのクレームだったのかな?と。

なんとなく分かる気もするんですけどね…

 

バレエ頑張って来た人達って、その努力にすごいプライド持っている人が多いと思います。

華やかで美しいけど、それ以上に苦しい世界。

そこで何十年も努力して来たことは、プライドにしていいと思います。

 

私も、才能実力以上の経験をさせてもらい、それゆえ苦労はしたけれど、その中で頑張って来た自分に誇りを持っています。

 

でもね。

お高くとまったり、別格扱いしてよそ者を受け入れない!とか、そこは違うんじゃないかな~とも思うのですよ。

 

バレエは他のダンスより格上なんです!

バレエは選ばれた者だけが入れる世界!

バレエは一部の人だけの優雅な世界!

 

みたいなね。

そういう、別な意味のプライドが暴走しちゃった結果が、今回の松浦さんの件なのかと。

 

そもそも「芸人のくせに」の、「くせに」がね。

バレリーナは上で、芸人は下という前提での発言だものね。

 

そしてね。こういう「バレエは特別な世界」というイメージが一般に浸透しちゃっているからこそ、私がいつも違和感を抱いて来た

 

身体が硬いから

太っているから

 

みたいな、発言に繋がっていたんだな、と気づきました。

 

バレエは、顔が小さくて首が長くて、スラっとしたスタイルで身体の柔らかい人しかやっちゃいけない!

神様に選ばれた、ごく一部の限られた人だけのもの!

 

みたいな。

ほぼほぼ都市伝説みたいになってしまっていて、しかもそれが真実だと信じ込まれているんじゃなかろうか。

 

確かに。

厳格さや品位、その道のりの厳しさも、バレエの魅力の1つであることに変わりは無いのだけど。

優劣をつけたり、他を見下すのとはまた別のお話。

 

自分を上げるために、他を下げるのは品の無いこと

 

だと私は思っています。

 

日本は「芸術後進国」と言われていますが。

バレエだけでなく、色んな芸術がまだまだ「特別」で「一部の人」のものであるという意識は、まずは実際にそこに携わっている関係者の意識から変えて行かないことには大きな変化に繋がらないのではないでしょうか。

 

バレリーナ芸人松浦さんは、バレエの酸いも甘いも知り尽くした上で、彼女にしか表現できない方法でバレエを親しみやすく、面白く伝えています。

 

それで、いいんじゃないでしょうかねえ?

 

そして私も、(たぶん)私にしか出来ない方法でバレエを、また別の方向からお伝えしています。

先日のワークショップでは、全員バレエ始めての大人生徒さんながら・・・・

 

「白鳥の湖」の抜粋にチャンレンジ!

 

という、プログラムをお届けしました♪

 

まあ、いないよね。こんな先生笑い泣き

それこそ偉い方達に怒られてしまいそう笑い泣き

 

身体が硬い

内股

太っている

首が短い

 

そういうの無関係!

楽しくて、普段の生活にちょっと役に立って、基礎体力&筋力。

そして、バランスの整うバレエっぽいレッスン。

 

あってもいいじゃん!!