『副甲状腺からどのようなホルモンが分泌されますか?また、その作用はどのようなものですか?分泌過剰のとき、分泌不足のときはどのような症状が起こりますか?』

 


 副甲状腺からパラソルモンというホルモンが分泌されます。

 

これはペプチドホルモンでカルシトニンとともに体内のカルシウムとリン酸の代謝を調節しています。

 

このホルモンには次のような作用があります。

 

骨から血液中にカルシウムを動員します。

 

腎臓でカルシウムの排泄を抑え、リン酸の排泄を促します。

 

腎臓でビタミンD前駆物質を活性型のビタミンDに変換することにより、間接的に腸管でのカルシウム吸収を高めます。

 

血中カルシウム濃度が低下すると、副甲状腺からパラソルモンが分泌されます。

 

血中カルシウム濃度が上昇すると負のフィードバックによってパラソルモンの分泌は抑制されます。

 


 パラソルモンの分泌が過剰になると尿中へのリン酸の排泄が増加します。

 

また骨組織の改変が起こるために骨に痛みが生じます。

 

血中カルシウム濃度が上昇する結果、皮膚や角膜、腎臓などにカルシウムが沈着することがあり、しばしば腎結石が生じます。

 

パラソルモンの分泌過剰の原因としては上皮小体の良性腫瘍が多いです。

 


 パラソルモンの分泌が不足すると血中カルシウム濃度が低下し、神経や筋の興奮性が亢進して、テタニーと呼ばれる骨格筋のけいれんが起こります。

 

これは、しばしば甲状腺手術の際に、誤って副甲状腺を切除してしまったときに起こります。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめに

参考文献