『胆嚢とはどのようなものですか?』
胆嚢は肝臓の右葉の下に位置する長さ約8㎝、容積約50㎖のなすび型をした袋状の臓器です。
肝臓と十二指腸をつなぐ胆管の途中にあります。
胆嚢は肝臓の下面に接しており、肝臓表面の結合組織に包まれています。
胆嚢の内腔を覆っている粘膜上皮は丈の高い円柱上皮で、その表面には多数の微絨毛が生えています。
この微絨毛は水分を吸収し、胆嚢内の胆汁を濃縮します。
上皮の下には伸縮性に富む平滑筋層があります。
この筋層は小腸で胆汁が必要になると収縮し、胆汁は胆嚢管と総胆管を経て十二指腸に排泄されます。
このときオッディの括約筋は反射的に弛緩します。
胆嚢は肝臓でつねに作られている胆汁を一時貯蔵し、水分を吸収して濃縮します(約8倍)。
肝臓でつくられた胆汁は総胆管に入るが、普段は出口であるオッディ括約筋が閉じていて十二指腸に流れ出ません。
そのため胆汁は一時的に蓄えられ、水分を吸収されて濃縮されます。
食事をとると(脂肪性食物が十二指腸軟膜に触れると)、小腸の内分泌細胞からパンクレオザイミン(コレシストキニン)というホルモンが分泌され、出口の括約筋が開くとともに、胆嚢が収縮して、胆汁が十二指腸に送り出されます。
胆管は胆細胞→小葉管胆管→胆管へと集合し、胆嚢からくる胆嚢管と一緒になって総胆管(直径約6㎜)となり、十二指腸へ開口します。
肝外胆管(肝管、胆嚢管と総胆管)を一般に胆路といいます。
胆嚢は、蓄えられた胆汁から水分を吸収して濃縮する働きがありますが、そのために、胆汁酸やコレステロールなどの成分が過剰になって析出し、胆石を生じることがあります。
胆石は無症状のことも多いが、胆管に詰まって痛み、発熱、黄疸などの症状が現れることがあります。
そのような状態に対する処置としては、胆石を溶かしたり、手術で胆嚢を摘出したりすることがあります。
■はじめに
■参考文献