電話を切ってさえいれば… スペインの株投資詐欺団、英国人狙い撃ち
2009/10/19
2005年のある日、英国北西部の工業都市カーライル郊外で、ベッドメーカーに勤務するリンダ・レイさんは1日の伝票を分類していた。そこに掛かってきた1本の電話。レイさんが取ったその電話は、彼女の退職後の夢を打ち砕くことになる。
電話の相手は、よどみない口調でロンドンの株ブローカー「ロバート・サミュエル」と名乗り、株への投資を勧めてきた。まもなく定年を迎える予定だったレイさんは、このセールスマンの話に乗った。それから6カ月のうちに、レイさんの家族は13万ポンド(約1900万円)以上を英連邦の小国セントルシアを拠点とするダマク・グループに送金。サミュエルが「がんの治療法を開発中」と説明した製薬会社バリレックスに投資するためだった。
バリレックスはロンドンに実在する会社だが、同社への投資話はまったくのでたらめだった。その後、レイさんの資金が戻ることはなかった。すでに退職して現在61歳になったレイさんは「今までためたお金を使って少し稼げると思った」といい「まっとうな話に聞こえた」と振り返る。
◆5年間で1000万ポンド
ロバート・サミュエルは偽名で「電話セールス・テロリスト」を自称する詐欺団ダマクの一員だった。彼は、カーライルから約1550キロ離れたスペインのバルセロナから、台本通りに電話をかけていたのだ。レイさんは、6カ月間にダマクの勧誘電話にだまされた450人の被害者の一人だった。
捜査の結果、08年、ダマクを背後で操っていたクラウド・クリフォード・グリーブズ容疑者が逮捕された。ロンドンを拠点とする税務アドバイザーで、好んでスーツのポケットにシルクのチーフをあしらうような男だ。ロンドン南部のほこりっぽい町ペッカムで育った彼は、逮捕時にはバッキンガム宮殿に近い高級住宅街メイフェアに住んでいた。
警察によると、グリーブズ容疑者は5年間で少なくとも1000万ポンド相当の詐欺事件に関与したという。オーダーメードのスーツを囚人服に着替え、グリーブズ容疑者は英国南部の海沿いにある刑務所で5年6月の刑に服すことになった。
捜査官の話では、英国の投資家を狙うテレマーケティング詐欺団にとって、スペインはもっとも活動しやすい場所だという。
スペインの各大都市がロンドンから飛行機で2時間しか離れておらず、英国外務省によると、76万1000人もの英国人が暮らしており、その中に紛れ、英国人を狙った電話による株投資詐欺を働くには絶好の土地だ。
英国金融サービス機構(FSA)のデータによれば、確認されているテレマーケティング詐欺団のうち、約3分の1がスペインを拠点にしている。英国のタブロイド紙が、北西部のバルセロナから南部のマルベリャまでの約1000マイルの海岸線を「コスタ・デル・クライム(犯罪の海岸)」と呼ぶのはそのためだ。
所在地を突き止められないよう駆使する詐欺団の技術と創造力は高度だ。海外にいる勧誘メンバーはロンドンの局番を使って投資家に電話をかけ、架空のあて先を指示して小切手を送らせる。また、勧誘メンバーに話術の巧みな要員をそろえるのも常套(じょうとう)手段だ。
◆投資家情報を悪用
さらに、英国の投資家には特にテレマーケティング詐欺に遭いやすい事情がある。上場企業の株式を保有する際に、名前、住所、保有株数といった情報を登録しなければならず、テレマーケティング詐欺撲滅の指揮を取るロンドン市警察のボブ・ウィシュアート刑事部長によれば、こうして登録された投資家情報が詐欺団に悪用され、被害を拡大していると指摘した。
詐欺団の間では「サッカー・リスト」と呼ばれる、だまされやすい投資家の電話番号リストが出回っているという。FSAは08年11月、1万1500人に文書を送り、カナダの犯罪グループに渡ったリストに名前が載っていると警告した。FSA不正取引部門のジェイソン・バート氏は「資金を取り戻すことはかなり困難。株投資詐欺グループと接触しないよう警告することに資源を集中している」と説明した。
レイさんの場合、株式に大金を投じる前に、別の投資に手を出して失敗したことがあった。未開発土地区画への投資で損を出したのだ。彼女は、その際にリストに名前が載ったのではないかと考えている。
現在も警察は、ダマクが香港、セントルシア、スペインの口座を通して集めた240万ポンドの被害金の行方を捜査している。しかし警察の推計では、テレマーケティング詐欺による英国国民の被害額は推定3億ポンドで、07年の1億ポンドから増加している。ダマクのケースは氷山の一角に過ぎないのだ。
今もレイさんは失敗の代償を払い続けている。不法業者のサッカー・リストに載ってしまったツケだ。「過去3年間で150回も電話があった。多いときには週に2回も。今にも誰かが電話してきて、結構なもうけ話を持ちかけてくるかもしれない。絶対信じないけど」と話した。
警察は、テレマーケティング詐欺撃退の簡単な方法を紹介している。
「知らない人が電話をかけてきて投資話を始めたら、相手がどんなにすてきな口調でも、そこで電話を切るように」(Caroline Binham、Ben Sills)
*****
日本では振り込め詐欺が多発していますが、海の向こう側ではテレマーケティング詐欺が多発しているようです
ですが、いずれも人の心理を突いた非常に悪質なものであることには何ら変わりはありませんから、どちらも撲滅されてしかるべきです
ですが、上記事を読む限りでは、詐欺グループのほぼトップ的立場の者が逮捕されたにも関わらず、その刑罰は5年6ヶ月と、犯した罪の大きさに対して非常に軽い刑が言い渡されたようです
被害者は450人とされていますし、リンダ・レイさんの被害状況を見る限り、5年6ヶ月という刑はどう見ても軽すぎます
このように悪質な詐欺行為に対して甘い刑罰で望んでいるようなら、犯罪数は減るどころか増える一方なのではないでしょうか
日本においては詐欺団に対して厳しくあってほしいものです
詐欺被害、多重債務、過払い金、等無料相談受付中
2009/10/19
2005年のある日、英国北西部の工業都市カーライル郊外で、ベッドメーカーに勤務するリンダ・レイさんは1日の伝票を分類していた。そこに掛かってきた1本の電話。レイさんが取ったその電話は、彼女の退職後の夢を打ち砕くことになる。
電話の相手は、よどみない口調でロンドンの株ブローカー「ロバート・サミュエル」と名乗り、株への投資を勧めてきた。まもなく定年を迎える予定だったレイさんは、このセールスマンの話に乗った。それから6カ月のうちに、レイさんの家族は13万ポンド(約1900万円)以上を英連邦の小国セントルシアを拠点とするダマク・グループに送金。サミュエルが「がんの治療法を開発中」と説明した製薬会社バリレックスに投資するためだった。
バリレックスはロンドンに実在する会社だが、同社への投資話はまったくのでたらめだった。その後、レイさんの資金が戻ることはなかった。すでに退職して現在61歳になったレイさんは「今までためたお金を使って少し稼げると思った」といい「まっとうな話に聞こえた」と振り返る。
◆5年間で1000万ポンド
ロバート・サミュエルは偽名で「電話セールス・テロリスト」を自称する詐欺団ダマクの一員だった。彼は、カーライルから約1550キロ離れたスペインのバルセロナから、台本通りに電話をかけていたのだ。レイさんは、6カ月間にダマクの勧誘電話にだまされた450人の被害者の一人だった。
捜査の結果、08年、ダマクを背後で操っていたクラウド・クリフォード・グリーブズ容疑者が逮捕された。ロンドンを拠点とする税務アドバイザーで、好んでスーツのポケットにシルクのチーフをあしらうような男だ。ロンドン南部のほこりっぽい町ペッカムで育った彼は、逮捕時にはバッキンガム宮殿に近い高級住宅街メイフェアに住んでいた。
警察によると、グリーブズ容疑者は5年間で少なくとも1000万ポンド相当の詐欺事件に関与したという。オーダーメードのスーツを囚人服に着替え、グリーブズ容疑者は英国南部の海沿いにある刑務所で5年6月の刑に服すことになった。
捜査官の話では、英国の投資家を狙うテレマーケティング詐欺団にとって、スペインはもっとも活動しやすい場所だという。
スペインの各大都市がロンドンから飛行機で2時間しか離れておらず、英国外務省によると、76万1000人もの英国人が暮らしており、その中に紛れ、英国人を狙った電話による株投資詐欺を働くには絶好の土地だ。
英国金融サービス機構(FSA)のデータによれば、確認されているテレマーケティング詐欺団のうち、約3分の1がスペインを拠点にしている。英国のタブロイド紙が、北西部のバルセロナから南部のマルベリャまでの約1000マイルの海岸線を「コスタ・デル・クライム(犯罪の海岸)」と呼ぶのはそのためだ。
所在地を突き止められないよう駆使する詐欺団の技術と創造力は高度だ。海外にいる勧誘メンバーはロンドンの局番を使って投資家に電話をかけ、架空のあて先を指示して小切手を送らせる。また、勧誘メンバーに話術の巧みな要員をそろえるのも常套(じょうとう)手段だ。
◆投資家情報を悪用
さらに、英国の投資家には特にテレマーケティング詐欺に遭いやすい事情がある。上場企業の株式を保有する際に、名前、住所、保有株数といった情報を登録しなければならず、テレマーケティング詐欺撲滅の指揮を取るロンドン市警察のボブ・ウィシュアート刑事部長によれば、こうして登録された投資家情報が詐欺団に悪用され、被害を拡大していると指摘した。
詐欺団の間では「サッカー・リスト」と呼ばれる、だまされやすい投資家の電話番号リストが出回っているという。FSAは08年11月、1万1500人に文書を送り、カナダの犯罪グループに渡ったリストに名前が載っていると警告した。FSA不正取引部門のジェイソン・バート氏は「資金を取り戻すことはかなり困難。株投資詐欺グループと接触しないよう警告することに資源を集中している」と説明した。
レイさんの場合、株式に大金を投じる前に、別の投資に手を出して失敗したことがあった。未開発土地区画への投資で損を出したのだ。彼女は、その際にリストに名前が載ったのではないかと考えている。
現在も警察は、ダマクが香港、セントルシア、スペインの口座を通して集めた240万ポンドの被害金の行方を捜査している。しかし警察の推計では、テレマーケティング詐欺による英国国民の被害額は推定3億ポンドで、07年の1億ポンドから増加している。ダマクのケースは氷山の一角に過ぎないのだ。
今もレイさんは失敗の代償を払い続けている。不法業者のサッカー・リストに載ってしまったツケだ。「過去3年間で150回も電話があった。多いときには週に2回も。今にも誰かが電話してきて、結構なもうけ話を持ちかけてくるかもしれない。絶対信じないけど」と話した。
警察は、テレマーケティング詐欺撃退の簡単な方法を紹介している。
「知らない人が電話をかけてきて投資話を始めたら、相手がどんなにすてきな口調でも、そこで電話を切るように」(Caroline Binham、Ben Sills)
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日本では振り込め詐欺が多発していますが、海の向こう側ではテレマーケティング詐欺が多発しているようです

ですが、いずれも人の心理を突いた非常に悪質なものであることには何ら変わりはありませんから、どちらも撲滅されてしかるべきです

ですが、上記事を読む限りでは、詐欺グループのほぼトップ的立場の者が逮捕されたにも関わらず、その刑罰は5年6ヶ月と、犯した罪の大きさに対して非常に軽い刑が言い渡されたようです

被害者は450人とされていますし、リンダ・レイさんの被害状況を見る限り、5年6ヶ月という刑はどう見ても軽すぎます

このように悪質な詐欺行為に対して甘い刑罰で望んでいるようなら、犯罪数は減るどころか増える一方なのではないでしょうか

日本においては詐欺団に対して厳しくあってほしいものです

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