ふくいくと 青空ありて 霧氷林
はたちの子 はたちの雛 飾りけり
黒猫の 眼の金色に 地虫出づ
白濁の うねりとなりて 鰊群来
吊り雛 日当たりながら 雪降り来
雪塊の ひかりを返す 入り彼岸
松が枝に いち日風の 龍太の忌
吊雛 海おだやかに 暮るるなり
虫出しの雷、観音の 薄まぶた
桜の芽 しかと丈余の 雪の上
日は暈に あそびごころの 春の雪
総身を 水音めぐる 弥生かな
外科病棟 翁のこぼす 雛あられ
寒林の 息ととのへる 日暮あり
鳶の影して 蝦夷松の 雪しづり
雪に降る 雨の音なり 立雛