こんにちは、大井です。

 

本日8月23日は私が2019年に引率した

清泉文化史学科の夏期研修旅行

の出発日からちょうど3年目にあたります。

 

今回は旅の思い出を少しよみがえらせてみたいと思います。

(海外研修旅行はコロナ禍でそれ以降3年続けて開催中止となりました)

 

毎夏に実施される清泉文化史恒例の海外研修旅行

2009~2018年の行き先はドイツ、イタリア、スイス、フランス、イギリス、スペイン、ポルトガル、ロシアといったバラエティに富むものでした。

 

2019年はチェコオーストリアが研修先となりました。

参加した学生は30名。引率は文化史学科の木川弘美先生(西洋美術史)と私の二人で担当しました(他にTAの大学院生、近畿日本ツーリストの女性添乗員さんが最初から最後まで随行し、現地では日本語のできる外国人ガイドさんたちが各所でサポートしてくれました)

 

 

周遊都市は

歴史と伝統あふれる百塔の都プラハ

中世の景観がそのまま残るチェコ南部の古都チェスキー・クルムロフ

オーストリア西部の保養地バート・イシュルと湖畔の絶景ハルシュタット

ナチスの負の遺産マウトハウゼン収容所跡

壮麗な宗教建築物メルク修道院

そしてハプスブルク家400年の帝都ウィーン

です。

 

中欧の世界遺産、歴史、文化、食、絶景を楽しみ学び尽くす研修旅行となりました。

※バート・イシュルとマウトハウゼン以外はすべてユネスコの世界遺産に登録されています。

 

 

このように旅行中の観光は、団体行動、グループ行動、自由行動の3パターンをバランスよく配置しました。

 

 

 

ちなみに定員の30名を確保できたため、旅行代金はここからさらに1万円ほど割引をしていただきました。直行便を使ってこの価格はなかなかのお手頃だと思います!

宿泊したホテルもすべて良質かつ安全なロケーションにありましたので、大きなトラブルもなく全員無事に旅を終えることができました。

 

この研修旅行は「文化史学特別演習」という科目名がつき参加者には専門科目の2単位分が付与されます。そのため、訪問地の歴史や文化を学ぶ事前学習会旅のしおりの共同制作、帰国後の学園祭展示といった学習要素も満載で、まさに座学と実地を兼ね備えた「演習」です。

 

 

旅の様子は以下の写真のような感じです。

※写真は学生から公開の許可をいただいています。

 

↓プラハ 

 

 

 

 

 

 

 

↓プラハは夜も治安が良くて楽しめる街でした

 

 

 

 

↓チェスキー・クルムロフ

 

↓チェスキー・クルムロフ城内のバロック劇場

 

↓夜のチェスキー・クルムロフ

 

↓ハルシュタット

 

↓マウトハウゼン収容所跡

 

↓ベルヴェデーレ宮殿内(ウィーン)

 

 

↓ヨーゼフ広場(ウィーン)

 

↓オーストリア国立図書館

 

↓カプツィーナ教会のハプスブルク王室霊廟

 

↓アウグスティーナ教会(ウィーン)

 

↓シェーンブルン動物園(ウィーン)

 

 

研修旅行では、私の趣味でエリザベートの要素をコースに加えていただきました。そのため、15歳のエリザベートが皇帝に見初められたオーストリア西部の保養地バート・イシュルが旅程の中に追加されています。ここは個人旅行ではなかなか行くことのできない交通の便が悪い場所にあります。そのため学生たちにとっては人生で一度きりの訪問となるかもしれません。皇帝夫妻が毎夏を過ごした別荘カイザー・ヴィラのガイドツアーは貴重な機会となりました。

 

ちなみにこの別荘内のフランツ・ヨーゼフ1世の執務室には、1914年7月に彼が署名した勅書がそのまま机に残されています。セルビアへの宣戦、つまり第一次世界大戦の開戦を告げる歴史的な文書ですね。20世紀の暗く重い歴史はここから始まったといえるでしょう。

 

↓カイザー・ヴィラ(バート・イシュルの皇帝別荘)

 

 

文化史学科の海外研修旅行は、残念ながらこの2019年を最後に3年間中断しています。

コロナ禍の収束が待ち遠しいところですが、気が早い私は次なる研修旅行プランをすでに構想中です。

 
たとえば

 

皇妃エリザベートをめぐる旅 第2弾

 

バイエルン(ミュンヘン+ノイシュバンシュタイン城などルートヴィヒ2世の夢の三城+シュタルンベルク湖・ポッセンホーフェン) → ザルツブルク → バート・イシュル → ウィーン → ブダペスト(近郊のゲデレ城含む)

 

シシィの人生を疑似体験できるコースはいかがでしょうか?本当は最期の地ジュネーヴも含めたいところですが、上記のルートから離れすぎているため難しいですね。さらに欲張ってギリシャのコルフ島(ケルキラ島)、南仏コート・ダジュールなどシシィゆかりの地も加えたいところですが、予算と日程がものすごくオーバーしてしまうためこれもあきらめましょう。

 

事前学習会ではミュージカル「エリザベート」「モーツァルト!」「ルートヴィヒ2世」などを観て関心を高め、講義と読書で予備知識をしっかりと蓄えた上でいざ現地へ!

エリザベートを軸とした歴史旅はいかがでしょうか?

 

※3年前に催行した第1弾企画も事前に「西洋文化史特殊講義」でエリザベートのミュージカルを使いたっぷり予習を施しました。

 

 

他にもこのようなプランを思いつきました。

 

中欧三王国の王都めぐり

 

プラハ → ドレスデン → ベルリン

(ボヘミア王国首都 → ザクセン王国首都 → プロイセン王国&ドイツ帝国首都)

 

このコースも観光と学習の要素に満ちた魅力的な研修旅行ルートだと思います。何よりも治安が良く安全安心な女子向きの観光ルートだと思います。西欧や南欧のような派手さはありませんが歴史と文化を心ゆくまで堪能できる古都の旅はいかがでしょうか?

 

ここで挙げた二つのコースとも鉄道や飛行機を乗り継がず高速道路をバスで移動できる距離なのが魅力です。移動時間をセーブしながら一都市の市内観光に十分な時間を割けますね。

 

 

ドイツとオーストリアの歴史研究者であるため私案がつい中央ヨーロッパに偏ってしまいました。文化史学科には多彩な専門分野を持つ教員がそろっていますので他にも面白い企画が次々と立ちあがりそうです。

 

まずは海外旅行が普通にできる日が早く戻ってくることを心から願っています。

 

おわり