こんにちは、大井です。

 

ミュージカル「エリザベート」のチケット一般発売が8月6日に始まりました。

 

予想どおりチケットは販売開始からわずか数時間で全席完売したとのことです。先月から始まった先行抽選で涙をのみ、今回の最後のチャンスに一縷の望みをかけたファンも多かったと思います。

 

私も当日は朝10時からサイトへのアクセスに挑戦しました。しかしつながる気配が一向にないまま・・・・結局、仕事の都合で開始30分後に早々と戦線を離脱することになりました。良席を手に入れる夢のビッグチャンスはこうしてはかなく散ってしまったのでした・・・・。

 

しかし闘いはまだ終わっていません!争奪戦に敗れ心がボロボロになった方もまだトートと踊ってはいけません。これから3カ月以上にわたり公式リセールサイトで譲渡や交換をめぐる熱い取引が繰り広げられます。早くもおけぴの掲示板では取引相手の募集が活発化していますね。

 

また正規チケットは実のところまだ「完売」していないことにも留意しましょう。業界に詳しい方はこの意味をよくご存知のことと思います。

 

ちなみにあるサイトでは最前列のぼぼど真ん中の席が10倍以上の価格で転売されているそうです。転売ヤー恐るべしです!!とはいえこうした悪魔との違法契約が発覚したら高額で手に入れたチケットも紙くずとなりますからご注意ください。何よりも代金を振り込んだ後に音信不通になるケースも多発していますので、非公式仲介サイトの活用や怪しい出品には手を出してはいけません。購入者側も罪を問われますので、このような詐欺にあった場合は警察にも届け出ることができず泣き寝入りせざるをえなくなります。

 

※昨今SNS上でもチケットの売買がもたらすトラブルが増えているようですのでご注意ください。素性が分からない相手との取引にはリスクがともなうことを肝に銘じなければなりません。

 

ちなみに私は現在のところ10公演分(10枚)のチケットを確保していますが、いずれも良席の見込みはあまり高くないので今後も悪あがきを続けます。

 

 

余談が長くなりました。

ここからは前回に引き続き、文化史学科の授業「女性史」に寄せられた学生たちの声をご紹介したいと思います。

 

今回は特に最終回の授業内容に関わる感想をピックアップさせていただきました。
 

7月12日の最終回では、オーストリア皇太子ルドルフの自殺からエリザベートの最期までを取り上げました。ミュージカル「エリザベート」のナンバーにあてはめると、「独立運動」「僕はママの鏡だから」「マイヤーリンク」「死の嘆き」「キッチュ<リプライズ>」「夜のボート」「悪夢」「愛のテーマ」という展開です。エンディングに向けて重苦しくなる流れですね。

 

特に東宝版のラストシーン、暗転前に振り向くトートの表情が初見の学生たちには大きな衝撃を与えたようです。そのあたりのコメントは「②考察コメント」の方で多く上がっていましたので、学生たちにはピックアップ集を配布して互いの解釈や意見を確認してもらいました。

 

ここでは「①感想コメント」に挙がった最終回およびトータルの感想部分を並べてみたいと思います。

 

 

★エリザベートのミュージカルを観て、様々な視点や角度から感じたり考えさせられると思いました。あまり、エリザベートのことは知らなかったので、このミュージカルを観て知ることが出来たので良かったです。

 

★今回は最後ということもあり、もうこの授業を受けることはないのだなと思ったら少し寂しい感じです。そしてミュージカルエリザベートも終焉を迎え、とても満足です。私はマリーアントワネットは歴史の授業などでもやったため、大方物語の予想、流れは分かっていたのですがエリザベートに関しては全くの無知といってもいいほど知らない状態でミュージカルに臨んだため非常に毎回の授業が新鮮でありました。

 

★今回でついにエリザベート編が完結した。マリー・アントワネットと比べると歴史をあまり知らなかったため、授業後の課題で調べたり、毎回の進展がとても楽しかった。処刑と暗殺という残虐な行為で人生の幕を閉じた2人の壮絶な人生がミュージカルを通して、女性史を通して学ぶことができてよかった。いつエリザベートのように暗殺されるか分からない「死」の存在が身近にいるということを忘れないようにしたい。最後にトートが困惑しているような表情をしていたのが疑問として心残りとなっているが、考察での結論がでなかったため、みんなの意見を読んでみたいと考える。

 

★エリザベート全ての鑑賞を終えました。生と死というテーマという事で非現実的な表現を取り入れつつも史実に基づいた出来事を不気味かつ美しく描いていて今回鑑賞したところは特にラストということもあり、情報量が多くてすごかったです。ルドルフの自殺シーンは恐ろしくてしょうがなかったです。ショックを受けるほどでした。

 

★ルドルフとトートが「キッチュ」していてわぁびっくり。そして愛し合った結果、ルドルフがトートになる。激熱演出ですね。先生がラストシーン見せないで~完~と出されたとき驚きすぎて、これで終わり?!死なないのかエリザベートは?と、ものの数秒の間に脳みそがフル回転した。最後が見られてよかった。この、女性史は前期の授業の癒しでした。火曜日1限から4限まではいっていて何度も行きたくないなと思っていたけれど、女性史がモチベーションで耐えました。前期の間ありがとうございました。

 

★あと!ルドルフとトートのキス!!えぇぇ!これ舞台で生で見れるってことですよね。綺麗すぎました。古川君のバレエが綺麗!白いブラウスがよく似合っていて、古川雄大に生まれたかった…。

 

★クライマックスに近づくにつれて、トートの出演回数が徐々に多くなっていったと感じた。城田優さんの目力が本当の悪魔を感じるほど怖く、生で見た時の迫力はすごかっただろうと思った。また、♪夜のボートという一曲で、過去と未来を対比しているのはすばらしい演出だと感じた。映像を見て、出会った頃の初々しい2人に再び戻ってほしいと感じた。さらに、「2人寄り添えば」「貴方がそばにいれば」と願っていたシシィはどこかに消えてしまい、頑なに別々の道を歩もうとするシーンはとても切ないものであった。

 

★今回でエリザベートが最終回でした。最後の結末を知っていてもエリザベートには死んでほしくないと心の中で思っていました。最後にトートとキスをするシーンではエリザベートが死を愛してしまったのではないかと思い悲しい気持ちになりましが、「私だけに」を聞きエリザベートは強く優しく自由を大切にする女性なんだと思うことができてよかったです。私はエリザベートの自由でかわいらしいところがすごく好きです。

 

★個人的に、『マリー・アントワネット』よりも『エリザベート』の方が終わり方があっさりしてるように感じました。もっとトートとエリザベートの絡みがあるかと思ったら、すぐエリザベートは死を選んだので意外とあっさりしてるんだなぁと思いました。ミュージカル終盤、ヨーゼフの方がエリザベートを愛してるように感じたので、エリザベートが死んだ後のヨーゼフのその後が気になりました。

 

★個人的にはマリーアントワネットよりもエリザベートの方が好きです。やはりマリーアントワネットの方が生々しく、スッキリと終わらなさがありました。それと比べると最後はトートと一緒になれた幸福感があったのでまだ気持ちが楽でした。しかし最後のトートの表情がすごく気になりました。

 

★今回『エリザベート』を見てとても重々しく終わるなと思った。内容自体が重々しくなっていることはもちろん、『マリー・アントワネット』はギロチンが落ちて最後にまた多くのキャストが登場して終わったが、『エリザベート』はトート、エリザベート、ルッキーニだけで終わったので最後に三人だけだったのが、余計重々しい終わり方だなと思った。

 

★先生がずっと「エリザベートは暗い」と何度も繰り返しており、なんとなく覚悟はしていたものの終わり方が予想と大きく違った。史実のエリザベートを断片的な情報でしか知らなかったのもあったが、もっとフランツと仲たがいしてトートと結ばれるのかと思ったが、フランツのことを思いながらトートのことを思っており、裏切られた気分であった。家族的な好意と羨望からの好意との違いが明確であり、メリーバットエンドとも言い難い作品に感じた。

 

 

1番最後の「愛のテーマ」が1番好きな場面で、音楽も演出もとても良くて、永遠に見ていられる気がします。

 

 

ルドルフのキス(死の接吻)に関心を持ったというコメントがいくつか見受けられますね。これについては「ルドルフ ~ザ・ラスト・キス~」という題名のオーストリア(2009年)・ハンガリー(2006年)発のミュージカルがあります。日本でも2008年と2012年に帝国劇場で公演されています。

 

 

さてこれまで2回にわたり「女性史」の授業に対する学生たちの反応をご紹介してきました。

これらのコメントは成績の採点対象ではないとはいえ、読み手である私に忖度して書いている可能性ももちろんあります。授業に対する好意的な意見が多く見られますが、これをすべて真に受けて自分の授業を自画自賛しうぬぼれるつもりはありません。開講2年目の「女性史」はまだまだ発展途上です。無記名方式の授業評価アンケートの方に批判的なコメントが入っているかもしれませんので、結果が届きましたらそちらも確認し来年度に向けた反省材料にしたいと思います。

 

正直のところ、最終回の授業後に届いた学生たちの感謝の言葉はどれもすごく嬉しかったです。授業の準備や授業後のコメント整理に苦労した身としては本当に励みになるメッセージばかりでした。

 

特にミュージカルをこれまで観たことがなかった学生が、私の授業を機に新たな趣味を手に入れる瞬間に立ち会えたことは大きな喜びでした。人生を豊かにして楽しく生きるにはいろいろな方法があると思います。そのうちの一つにミュージカルや演劇が加わり、人生のうるおいの一つにしていただければこの授業を提供した甲斐があります。もちろん安くはない「高価な趣味」になってしまいますのでそこらへんのことは謝っておきます(笑)。

 

そして文化史学科の学生たちには、今後も「歴史ミュージカル」にとことんこだわってもらえればと思います。歴史と文化を学ぶ学科の卒業生として、大学を巣立った後も「歴史ミュージカル」との対話を続け、感性歴史への洞察力を楽しく磨きながら充実した人生を生きていってもらいたいと心から願っています。

 

おわり