ロートのサイトをみて、「近視抑制に重要な遺伝子、EGR1を働かせるためには1日7.5mgのクロセチンが必要なのかー」と受け取っていたが、ちょっと調べているうちによくわからなくなってきた。

 

英語読むのは正直苦手なんだけど、マウスにクロセチンを投与した論文「Oral crocetin administration suppressed refractive shift and axial elongation in a murine model of lens-induced myopia」をかいつまんで見てみた。論文では、細胞へのクロセチン投与試験では確かにEGR1の発現上昇を認めたものの、マウスの経口投与試験ではEGR1の発現上昇をリアルタイムPCRで検出できていないっぽい?

 

あと、小児の近視抑制のデータ元論文「The Effect of Dietary Supplementation of Crocetin for Myopia Control in Children: A Randomized Clinical Trial」もネットで拾えるので流し見したけど、そもそもなんで7.5mgなのか、というのが、17番目の引用文献の「大人で1日7.5mg、15mg、22.5mg投与した実験で問題なかったから」というだけっぽい?

 

どこかの眼科のサイトで、「EGR1遺伝子を活性化させるためには、マウス→小児換算で7.5mg相当量が必要」みたいな感じで書かれていたのをみた覚えがあったのだが、読んでない報告でもあるのだろうか。だったら、引用文献としてそっちを記載するような気が。まぁEGR1はともかく、結局はマウスで近視抑制効果はあったので結果オーライなんだろうけど。

 

あと小児へのクロセチン投与試験で個人的にすっごい気になるのが、結論を出す際はなんか難しい手法で影響を消しているっぽいとはいえ、1日あたりの日光にあたる時間がクロセチン投与グループで63.6±43.2分、プラセボグループが40.5±38.0分と1.5倍の差があること。

①日光に当たる時間が長い子供は、近視予防に気をつかう傾向にある可能性→②それらの子は目に良さそうな習慣も色々と取りいれる傾向にあるかも→③今回の論文ではそれらの雑多な要素をどれだけ排除できているのか?というのがよく理解できない。本文中にそこらへんの処理方法が詳しく書かれてるかもしれないが、英語スキルが低いのでもう読み疲れました。すんげぇ久しぶりに英文読んで頭が爆発した。まぁ英語が読めたところで科学リテラシーが低いのであまり理解できないだろうけど!

 

 

まぁとりあえず今んところ『69人の小児を対象とした実験でクロセチンを7.5mg投与したら僅かながら近視抑制効果があった』という結果が出てきただけで、どのくらいのクロセチン摂取量が正解か?どのくらいの効果が期待できるのか?というところまではまだ不明っぽい。だからロートはクロセチン含有量が低いEXじゃないやつも発売してるのか〜と少し納得した。

 

ちょっと調べてみて、現状7.5mgにそう拘らんでもいいように感じた次第。論文の最後には「もっと大規模実証が必要」とあるので、また続報を期待したい。

…でもこれ、大規模実証で効果なかった場合、「やっぱり効果ありませんでした」って報告が男らしくバカ正直に出てくるもんなんだろうか?

 

というか、これだけしか検証がなされていないのに「ロートクリアビジョンジュニアEX」が発売されているのはどうなのか。サプリメント界隈はこんな見切り発車的に商品化するもんなのか。

色々とよくわからんが、それだけわが子の近視をなんとかしたいという需要が多いと見込まれているのだろう。