沖縄県出身で、沖縄県に在住の恵隆之介先生の講演会を明後日15日土曜日13:00(開場)から西南学院大学コミュニティーセンターホールで開催します。
演題は「海の武士道 帝国海軍のヒューマニズム」で、日本帝国海軍駆逐艦雷(いかずち)の工藤艦長の戦場での勇気ある決断をお話しいただきます。
テレビでも紹介されご存知の方も多いと思いますが、概要を説明するとインドネシア・スラバヤ沖海戦で撃沈した敵のイギリス海軍駆逐艦エンカウンター号の乗員の他 422名を交戦海域で時間の危険も顧みず武士道精神で救助したお話です。
工藤艦長は復員されましたが、この話を周りに一切せずにお亡くなりになってしまったため、だれも知られずに時だけが過ぎていきました。
その時に救助されていた英国海軍士官のフォール卿が平成15年に死ぬ前に工藤艦長にお礼が言いたいと来日された時に初めてこの事実が公になります。
しかし、戦後長い時間がたっていたこと、さらに工藤艦長が復員後静かに隠遁生活の後に亡くなったことなどから工藤艦長の足取りがつかめずにフォール卿は無念さを抱きながら帰国されたそうです。
その時に卿から捜索を託されたのが恵先生でした。
そして工藤艦長のお墓を見つけ、フォール卿は再度来日されて無事お墓参りを果たされたのです。
この海戦はインドネシアの制海権を日本軍が奪取した重要な戦いでした。それは40時間以上にも及び多数の連合軍艦船を撃沈します。そういう中、帝国海軍駆逐艦「雷」は英駆逐艦エンカウンターを始め巡洋艦エグゼター等の乗組員を駆逐艦の甲板いっぱいに救助したのです。
まだ交戦中であったために、もし、潜水艦がそこにいたら止まっている軍艦は格好の標的にされてしまいます。
さらに甲板上いっぱいに人を乗せると主力の武器である主砲も使えなくなり雷は自らを守る術が無くなってしまうのです。
でも、大勢の人間が海に漂っているのを見過ごすことのできなかった工藤艦長は大きな決断をし、全員を救助すべく総員をつかって救助に当たるのです。
小型艦で備蓄の少ない食料を救助した先ほどまでの敵兵に与え、つぎのようにスピーチするのです;
「あなた方は先ほどまで敵でした。しかし、これからは帝国海軍のゲストです」と。
イギリス海軍将兵も救助に近づいた雷にわれ先に乗り込もうとはせずに、傷ついた将兵からの救助をするように要請し、与えられたビスケットなどの食料は必要な数だけを取って残りはきちんと返したそうです。
日本帝国海軍は英国海軍を模範として誕生しました。
両軍がその麗しき伝統を激戦の後にもきちんと持ち続けていたのです。
これをヒューマニズムと呼ばずしてなんと呼ぶのでしょう。
生死の境目に陥ったギリギリの環境の中で見せる人間性こそが本物の人道主義と呼ばれるヒューマニズムではないでしょうか。
敵も自分も命のやり取りをする戦場だからこそそこに出現した人間性は大いに学ぶものがあると思いませんか。
海に浮かぶ敵兵に向かって飛行機から機銃照射をするのは当たり前といわれていた時代に私たちの先人たちは自分の危険を顧みずに敵兵を救助したのです。
このような事実を皆さんにお伝えするのも歴史ナビゲーターとしての役割だと思い、アジアプランの永嶋代表そして福岡県郷友連盟の稲葉事務局長とトリオで企画しております。
お忙しいとは思いますが、ぜひお時間を作って西南学院大学コミュニティーセンターホールにお越しください。入場料は2000円です。
当日コーディネーターを務めるのが私で、先生には講演の後に一時間ほどの質疑応答の時間も設けております。そこでは現在の沖縄県の様子などを語っていただこうと思っております。
その後、先生を囲んで懇親会も設けております。参加希望の方はぜひメッセージをください。お待ちしております。
平成28年10月15日(土) 午後1時開場 1時30分開演 16:30 終了予定
福岡市早良区西新6丁目西南学院大学コミュニティーセンターホール
会費 2000円 当日券あり