夢枕獏の小説「陰陽師」平安時代に実在した
陰陽師・安倍晴明と、笛の名手・源博雅が
「呪(しゅ)」について語るところから始まる。
呪とは「ものを縛ること」だと晴明は言う。
縛るのに用いるものは「言葉」。呪とは言葉
でものを縛る事。(大事な事なので2度言い
ましたよ!!・・・みのもんた風に)
「男が女を、女が男を、愛しいと思う。その
気持ちに名をつけて呪(しば)れば恋・・・」
催眠術、詐欺、情報操作、洗脳。いずれも
言葉で相手を縛る「呪」なのである。縛る力
(呪力)の強い言葉の1つに「愛している」という
のがある。
たとえば私がアケミさんに「愛してる」と言った
とする。文脈上、全然気持ちのこもっていない
記号のような言葉だと理解していただきたい。
けれど悲しいかな、アケミさんはこの言葉に反応
してしまう。受け入れる、疑う、拒絶するなど
リアクションはさまざまだろう。でも、その言葉
を聞く以前の状態には戻れない。アケミさんは
呪縛されてしまったわけだ。これが呪の基本である。
そして「嘘も100回言えば真実になる」という
効果を「意図的に」行ったのが「洗脳」というわけ
だ。
人類にかけられた最大の呪が聖書の中にある。
「はじめに言葉ありき。言葉は神なりき」
何が呪なのかおわかりだろうか?
この言葉が発せられた瞬間、本来1つであった
「神」と「人間」が見事に分断され、中間搾取する
「宗教」が割って入ったというカラクリである。
この呪を理解出来れば、その後発生した神学や
哲学、そして宗教なんてものが全て無意味になるの
だけど・・・無理かなぁ・・・