亀 | 歴史エッセイ集「今昔玉手箱」

歴史エッセイ集「今昔玉手箱」

本格的歴史エンターテイメント・エッセイ集。深くて渋い歴史的エピソード満載!! 意外性のショットガン!!

航海者にとって海亀は、船首前方を泳いで船に進路を示して
くれる海神の使いのような存在だった。ゆえに亀は海洋民族
のトーテム(守護神)となった。古代エジプト語で亀はシャタ。
日本ではサタになった。鹿児島県大隈半島の佐多岬。鹿児島
はシュメール語の水夫(カコ)が語源とも言われ、薩摩隼人の
ハヤは、インド・ドラビダ語の船乗り(ハヤ)が語源と言われる。
島根県松江市には佐太神社。なぜ出雲に大王国が成立したの
かといえば、宍道湖が天然の良港だったからだろう。出雲には
亀甲紋の神紋が多い。

黒潮は平均2~3ノット、早いと4ノットで流れ、台湾の東
から沖縄を経て鹿児島に至る。鉄砲伝来で知られる種子島から
紀州熊野灘までは、3日もあれば着くことが出来る。これが
九州から和歌山まで陸路を歩いたら、たっぷり2ヶ月はかかる
だろう。黒潮航路は高速道路のようなものだったのだ。亀は
サンスクリット語でクールンマ。黒潮に乗って関東方面に
やってきた船団は、千葉県銚子の利根川河口から霞ヶ浦方面
に上陸。別の一隊はさらに上流まで遡った。群馬と久留米は
クールンマが語源と言われる。九州・久留米に伝わる久米舞い
は、雅楽の古形式と言われている。

鹿島は拠点を意味するカティマから、香取(カトリ)は舵取り
(カンドリ)を語源とする。壇ノ浦の海戦で、義経が「水夫・
舵取り(カコ・カンドリ)を射よ」と命じた・・とか。こうして
見てくると、「出雲大社・熊野大社・鹿島神宮・香取神宮」
という日本の重要神社の位置関係がはっきり見えてくるのだ。

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