たまには外車の整備もやります。
エンジン不調のW221、エアマス不良で入庫。当然ベンツ用の診断機なんていいもの持ってるはずはありません。自分が使うのはスマホ診断アプリTorqueのみ。外車なんてめったにやらないので診断機なんてとんでもない。いざとなったら知り合いの工場に持ち込んで診断してもらいます。
DGチェックでP2004。よくわからないのでネットで検索。どうやらタンブルフラップとか言う回転数によりインマニ内の通る空気量を調整するバルブが動いていない模様。この時期のベンツに多く採用されていて、トラブルも頻出しているようです。
インマニ内のフラップを開閉させるためのブラケットが破損して動かなくなってしまうというもの。修理するためにはインマニを外す必要があります。めんどくせえな。
まずはエンジンカバーを外します。ハマってるだけなので引っ張り上げれば外れます。
外したところ。ゴチャゴチャじゃのぅ。
CPUを始め邪魔なものを外していきます。
配線類の取付けボルトを外し、どかします。インジェクターも外します。奥にあるエアマスも外してしまいます。意外と簡単。相変わらずベンツは整備性いいなぁ。
8本のボルトを外すとインマニが外れます。国産より全然楽。外すボルトサイズは2種類のみと言うシンプルさ。片手で持ち切れる程度の工具数で外れてしまう。
難儀なのはバキュームホースのカプラー。どうやって付いてんの?わかんねーよ。
何となくいじってたらパチンとか言って外れた。内側に爪4つで引っかかってんのか、よく外れたな。爪一個割れたけどまあ一個くらい・・ヤバいかな、いや大丈夫。
分かりにくいけど真ん中のボルトの右側が割れてます。これでは回転が上がってもアクチュエータが空しく素振りしてるだけでフラップは動きませんね。
このブラケットはメーカーから出ないらしく、ディーラーだとインマニASSY交換、数十万の修理代になるとか。でも社外部品でこの部品売ってるので安心です。プラ製とアルミ製があり、さらにアルミ製でも鋳造と削り出しがあるので予算に合わせてチョイスできます。部品代としては5000円から35000円程度の幅があります。
今回は1万程度のアルミ鋳造品にしました。正直チャチ。プラと耐久性変わらないんじゃないのって見た目です。そんなことより!
この真ん中のボルトが折れやすいとのことでしたが折れました。細心の注意を払って緩めましたがこんなん緩むかボケ!ガチガチに固めやがって。などと文句を言っても何も状況変わらないので中に残ったボルトの摘出手術を始めます。
まずは麻酔を、イヤ、細いドリルで穴を開けます。
エキストラクターでチャレンジするもビクともせず。これが折れると最悪な事態に陥るので無理せず折れる前に諦めます。
仕方ないので穴を広げタップを切ります。最悪ヘリサートかと思いましたが大丈夫そうです。
次の問題は折れたボルト。特殊な形状してます。これも純正部品出ません。ネットで探しても見つかりません。金属パイプでカラーを作るか穴広げてネジ径8mmにしちゃうか。ダメ元で近所のボルト屋さんに相談したらその場で作ってくれましたw
ボルト問題クリアしたので次はボロボロのバキュームホースの交換です。これはメーター売りの物を切って交換するだけ。のはずだったので・す・が!
インマニに刺さってるカプラー。取れない。仕方ないのでインマニバラシて内側から外す。そしてインマニ内に刺さってるバキュームホース。途中から太くなってんじゃん。ナニコレ聞いてないよ、外側切っちゃったよ。どうすんの。その辺探しまくる。あった、太いバキュームホース、ヤッタね。これに細いホースをねじ込んでアロンアルファでくっつけシールパッキンで補強。ハァ、なんとかなった。後は組付けるだけ。
新品のエアマスを取り付けます。ボッシュ製です。後はカバーを付けて無事終了。
チェックランプを消して走行テスト後、再度DGチェック。現在不具合はありません。
ただ、走行テストで気付いたのですが加速時振動あり。情報にあるミッションマウントでしょうか。正直ベンツなんてめったにいじらないんでネット情報を見つつ部品替えていくしかないです。その旨持ち主に伝えるとじゃあ替えてみましょうかとのことなので後日ミッションマウント交換します。直るといいなぁ。ちなみに今回の工賃はおそらく日本一安いと思いますw