今日は思いでの場所へ大学を卒業し、局に就職したときにすんだ町。ここには、幼なじみが二人も集まってきたし、憧れの部長のおうちもあった。渋谷はすぐだし、職場である六本木もすぐだった。大屋さんと仲良しで娘さんの家庭教師もしてた。なのに、ここにいたときの私は、いつも寂しかった。ことばにできない漠とした孤独感に包まれていた。ここでない、どこかを求めていた。そして、結婚するまでこの町にいた。母を見送ったときも、ここにいた。思いでの町。過去の町。