昨日は、鎌倉まで小澤征爾音楽塾・鎌倉教育プロジェクトの特別演奏会を聴きに行った。

演目はプッチーニ『蝶々夫人』。

小澤さんの指揮ではなかったが,第三楽章の前に「ご挨拶・お話」があった。


舞台に小澤さんの姿を見たとき,感動で思わず涙してしまった。


  とうとう小澤さんに会えた!


クラシックは門外漢だが小澤さんの大ファンなのだ。

彼が指揮している姿をテレビで観ると

本当に音楽が好きそうで楽しそうで

こっちまで嬉しくなってしまう。


涙したのには別の訳もあった。

彼は一昨年食道ガンであることを発表した。

そのときだいぶ仕事を休んだ。

今月の7日には「1年間の指揮活動休止」という報道があり

再び体調が気遣われていた。


彼のファンで一度は生で見たいと思っていたが

ご高齢でもあり,うかうかしていると見る前に亡くなってしまう恐れがあった。


それに去年は自分がガンであることが分かった。


  いつかそのうち。


そんなことを言っていると,こっちが先に死んでしまう。

それで急遽,去年の夏はサイトウキネンに行った。

しかし,「音楽監督」と「指揮」の違いも分からず

小澤さんが出ないプログラムを選んでしまった。

そんないきさつもあって今回見られたのは感慨ひとしおだったのである。


小澤さんは会場の隅で最後まで「生徒たち」の演奏を聴いておられた。

演奏が終わり,壇上の指揮者が会場の拍手を受けながら手招きすると

小澤さんは走って舞台まで行かれた。

お元気そうだった。

ご長命とご活躍を祈る。