夕飯の支度中に何となく眺めていたニュースで『タメハラ』なるものが話題となっていた。


家庭や職場などで、相手の行動が自分の思うような結果でなかったり、ミスしたりした時にあからさまにため息をついたりすることを指すようで、不機嫌ハラスメント『フキハラ』の一種なのだという。


わざとらしく大きなため息をつかれることに対するストレス…個人的にとてもよく分かる。なぜなら夫がそれであった。気になることがあればちゃんと言葉にして言えばいいものを、『はぁ〜っ』とわざとらしいため息。何?何なの?何か気に入らないことがあるの?最初はビクビクしていた夫のため息だが、ここ数年は『そのため息なに?何か気に入らないことがあるなら理由を言って欲しいし、無意識ならとても感じが悪いから止めてくれる?』と指摘することにしている。それから夫のため息はだいぶマシになり、『そりゃため息も出るだろうなぁ、今日は時間に追われて忙しかったし、分かる分かる』という時ぐらいになった。


セクハラに始まって、パワハラ、マタハラなどどんどん増えるように見えるハラスメントの種類。世知辛い世の中だといえばそうなのかもしれないが、相手が嫌だなと思うような言い方をしたり、悪意とかあえての嫌がらせで言っているのはちゃんと分かるものだ。相手の気持ちを思いやって相手のために伝えようとするならば、それはハラスメントにはならないだろう。もし自覚なく無意識にわざわざ相手が不快になるような言い方をしているとしたら…それはなかなか罪深いなと思うし、誰かが指摘しないと取り返しがつかないことにもなりかねないと思う。


突然話は飛ぶが…うちの娘は高校3年生で不登校になり、高卒認定を取って大学進学した。部活の先生との折り合いが悪く、その先生が居ると思うだけで手が震えたり恐怖で足がすくんだりして登校出来なくなった。


今思えばその先生がやっていたことも、フキハラ(不機嫌ハラスメント)タメハラ(ため息ハラスメント)だった。娘がやったことが気に入らないと、あからさまに不機嫌になってため息をつき『お前は何にも分かってないなぁ。俺が何を言いたいか分かるか?自分で考えろ』。具体的は指導は何もなく、娘が色々考えて行動しても『違うんだよなぁ〜、やっぱり何にも分かってない』、この繰り返しだった。


それが教師のやる事か?生徒を不登校に追い込んでおいて(実は不登校になったのはウチの娘だけではない)平然と教師を続けていることが信じられなかった。


その時の副校長先生が大変出来た方で、学校側で出来うる限りの方法で娘をサポートしてくれ、無事にその学年のみんなと同じタイミングで大学生になれたので当時の副校長先生には感謝しかないが、結局そのフキハラ教師は突然現場を外され、生徒を指導する立場ではなくなった。本人は、どうして移動になったか全く分からないと言っていたと小耳に挟んだが、自分が何をやっているか分からんからハラスメントになるような言動を平気で取るんだろうなと、夕方の一つのニュースから色々な思いが湧き上がった。


…お陰様で夕飯のチキンカツは若干焦げ気味の仕上がり。これじゃチキンカツ大好きな夫にため息をつかれても仕方がないな(笑)。素直に、ごめんなさい!