倉庫を片付けていたら、10年以上昔の携帯電話(ガラケー)と充電器が出て来ました。娘達がキラキラににデコってくれたので思い出に取っておいたのかもしれません。


面白半分に充電したら、これが起動するじゃありませんか!へぇぇと思ってメールや写真のフォルダを開けてみました。


中身を見たら、夫と離婚する、しないの頃使っていた携帯で、見ているうちにその時の辛かった気持ちが急に押し寄せて来て思わず泣いてしまいました。


娘達と旅行に行った時の写真は、夫の酷い態度に耐えきれず塞ぎ込んでいた時に母が『旅行にでも行こうか』とお金を出してくれて母と娘達の4人で東京に行った時のもの。私が愛犬を抱いている腕は今よりもずっと細くて、食事が満足に取れなかった時のもの。友達へのメールは、何もかも嫌になったという内容で、受け取った方は『何があった??』と。


当時はもうどうして良いか分からず、ともかく娘達を悲しい気持ちにさせるまいと必死でした。そんな中、娘達を連れて、当時話題になっていたアニメ映画『ブレイブ・ストーリー』を観に行ったんです。そうしたら、映画の初めの方に主人公の父親が浮気をして家を出て行き、ガス自殺をはかった母親が倒れているシーンがあり、まるで自分を見るようで更に気持ちが落ち込んだのを覚えています。最終的に母親は立ち直り主人公と前を向いて生きていく選択をするのですが、主人公の冒険物語が主のアニメ映画でしたから母親がなぜその選択をしたのかはあまり詳しく書かれておらず、なんとなく気になったのでブレイブ・ストーリーの本を買って読んでみる事にしました。


読み進めるうちに、夫に浮気をされることの何が一番辛いか、まるで私の心の中を覗かれているかのような内容が描かれていてとても驚きました。宮部みゆき恐るべし。


…そういえば、浮気浮気と書いていますが、たぶん本気だったと思います。最終的に、私の顔を見るのも嫌、一緒に暮らすのも嫌、というあからさまな態度の相手と生きていくのは私が辛いので『離婚しましょう』と夫に告げたのですが、夫が『すみませんでした、ここに置いてください』というので今に至ります。


夫は、謝ったのでもう終わりだと思っているのかも知れませんが、夫の帰りが遅いと『もう帰って来ないのではないか』、ちょっと乱暴にドアを閉めるたびに『機嫌が悪いのではないか』、一言も発せず食事をとっていれば『気に入らないメニューなのではないか』、といつもビクビクしているというか、心から安心して暮らすことはできなくなりました。10年以上が経ってもそれは変わらないのです。それは浮気を疑っているということではなくて、この人(夫)は私のことが好きではないだろうな、という失望感というか、不信感というか不安感というか。いっそ居ない人の方が気持ち的には楽なんじゃ、という気がしています。


ちなみに夫が離婚しない理由は『歳をとった時1人だと寂しいから』だそうです。ま、今住んでるのは私の両親の家だし、家を出たところで住むところもないでしょうから、そんな感じですかね。