「白血病と言われたら」ハプロ移植 2 | 慢性リンパ性白血病(CLL) 自分の病気を知るために

慢性リンパ性白血病(CLL) 自分の病気を知るために

―抗がん剤治療時一人の女医さんが病室のみんなに言った「でも血液は進歩著しい分野なので、一発逆転があるから」と。その言葉を信じて―

フォローしていた方のお子様が11歳でご逝去されました。弟さんに次いでお父様からのハプロ移植の闘病でした。ご本人、ご家族の壮絶な闘いを思うと、胸つまり言葉になりません。心よりお悔やみ申し上げます。

 

 

ハプロ移植1のつづきです。

 

全国骨髄バンク推進連絡協議会 ハンドブック「白血病と言われたら」2020年5月改訂第6版 下巻「血液の病気を知ろう」からの引用、メモになります。

 

下図はMedical Note ハプロ移植とは?よりお借りしています。

ハプロのイラスト

 

 

骨髄移植・末梢血細胞移植(下p177~p181) (執筆者:北海道大学大学院医学研究院内科学分野血液内科学教室 講師 杉田純一先生)

 

ATG(抗胸腺細胞グロブリン)を用いたハプロ移植>

日本ではサイモグロブリン®という薬剤を主に使用←日本では造血幹細胞移植後のGVHDの予防・治療に保険適用がある薬剤)→ヒトの胸腺細胞を抗原として作られた抗体であるためT細胞を含めたリンパ球を除去することが可能(butウサギを免疫して作られた抗体のため、発熱等の強いアレルギー症状の副作用には注意が必要)←抗がん剤等と比べれば比較的安全に使用可能な薬剤といえる

 

北京大学方式(4種類の免疫抑制剤を使用)

ATG 10mg/kg(大量)

シクロスポリン

メソトレキセート

ミコフェノール酸モフェチル

 

兵庫医科大学方式(3種類の免疫抑制剤を使用)←日本では最も多い

ATG 2.5mg/kg(比較的少量)

タクロリムス

メチルプレドニゾロン

 

その他複数の方法がある

 

ATG投与量→多→感染症の危険性

ATG投与量→少→GVHDの危険性

最適な投与量の決定が望まれるが現段階ではまだ検討が必要な段階

また併用する免疫抑制剤(タクロリムス、メチルプレドニゾロン)の調整も非常に重要

 

一定のリスクはあるものの、HLA適合移植よりも強いと思われるGVT(抗腫瘍効果)を期待→日本では、寛解とならない場合や再発の場合の2回目以降の移植として行われることの多い方法