今回も私の拙過ぎる終盤力が課題となった10秒将棋通常対局。この将棋は自分がメインで採用する嬉野調(居飛車力戦)の駒運びではなく、正統戦法の一つ【角換わり早繰り銀】を指していったのだが、これから取り上げる問題となった局面を振り返りつつ、しっかりと反省して眼と心とに焼き付けたいと感じる。不勉強な戦型理解にしてはウォーズオール三段相手に健闘出来(中盤の押し引きから上手く左右挟撃型を作ることが出来た)、実戦感覚としては、それなりの収穫があった将棋。
角換わり早繰り銀はプロの将棋でもよく見られる王道戦法。なので、私のようなアマチュア中級者には、とてつもなく険しい道であるのは間違いない。ただ、もっとメジャーな【角換わり腰掛け銀】(藤井聡太八冠はまさに角換わりのスペシャリストである)に比べると序盤の形、雰囲気は何となく真似できそうな印象もある(勿論、表面もいいところだが)ので、たまに試しながらでも指してみたくなる。やはり力戦ではなく、しっかりとした攻めをして中終盤、互いに深く読み合ったうえで勝つのが将棋の醍醐味であるから。早繰り銀の銀の出方はこれである。有名な【棒銀】とは逆方向に銀を繰り出していく。勢いよく、相手の陣形を牽制して。
ただ一点、立ち上がりの気持ちが早まって、↓この王手飛車取りだけは気を付けなければならない。当然、不注意·ウッカリだらけの私も何回もこれを食らってしまっている。【玉を一つ動かしておくか、端の歩を一つ突く】だけで簡単にこの筋を防ぐことが出来る。
この後、銀を交換し合った辺り(※頻出する【十字飛車を狙ってくる】相手の揺さぶりには十分注意する必要有)から、攻めの活路を見出していく迄の細かい指し方は今の私では到底理解出来、整理し得ているものではないので、ここではとても述べられない。よく研究されている上級者の方のブログやプロの先生の戦術書から少しずつでも学んでいきたいと思う。
今回の将棋では、お相手の方が、あまり囲う方向性に無く中住まい(玉を一個上がる)に構えただけで、歩の拠点も攻防の中で作ることが出来たので中盤は指しやすかったと思う。こちらの飛車は成り込まれてしまったが金底の歩で何とかガード出来ている状態。僅かな持ち時間なので、がむしゃらな迫り方ではあるが、あと一歩かな?と思える局面まで行くことが出来た。
▲先手(私)の銀の王手に対して後手玉が△3一と引いた局面。見るからに後手危なそうだが、こちらの飛車も銀取りに当たっているし、7六の歩で桂取り〜龍の横利きが通って来る流れもハッキリ見えていて、瞬間判断で指し続けていく中では実戦ならではの相当なプレッシャーがかかっているのを感じていた。8秒の考慮の末に出て来た手が………。
飛車で角をもぎ取る▲5四飛。これが非常に悪かった。飛車が玉の逃げ道から居なくなることで相手にかかっていた詰みへの脅威は除かれる訳だし、この取られた飛車を逆に打ち込まれた場合、かえって、こちらが立ち所にもたなくなる。まさに秒に追われた痛恨の一手だった!
では何を指せば良かったのか。解析結果が示した、ここでの一手は【▲3ニ歩打】。歩が立つ!!最後の持ち歩を玉頭に王手しながら叩く爽快な一撃だ。ただ変化手順の2ニ金の突撃が私としてはちょっと読み辛い。金をタダで取らせて盤上に居る【5ニの金を送りで使って】飛車の成り込みによって決めきる寄せ。手筋の応用力が無いと咄嗟には見えない。仮に30秒〜1分程の時間があったとしても今の私に指せたかどうかは微妙なところ。