鳥刺し指していくうえで頻出する対四間飛車の一局。対抗形。概して居飛車党はコツコツ良くしにいこうとする指し方、2筋(後手番なら8筋)突破をひたすら目指す指し回しをしていく。それに対し振り飛車等は攻め駒を軽やかに捌いて、ダイナミックな技をかけにいく快活かつ豪胆な将棋世界観。この10秒将棋通常対局では、まさにその普段のスタイルの異なりを随所に感じることが出来た。
 その中でも↑こういう角の飛び出しは一瞬の判断が勝負の分かれとなっていく一手10秒将棋ではウワッとなってしまう゜⁠o⁠゜⁠。私はリアルでも不意打ちに非常に弱い性格である。これまでの半生をふと振り返っても咄嗟の出来事に対する判断が好ましくなかったり、それに応じるための日頃からの努力が明らかに足りなかったりして、非常に苦しい状況に立たされていく場面が何度となくあった。加えて生来の恐怖心、不安や心細さを強く感じる傾向、何かにつけて考えれば考えれる程、消極性が増していくという自己の中に染み付いた拭い去れない性質的要素もある。そして一人っ子ゆえの孤独感。基本的な指し方や大体の将棋の流れというものは決まっているけれど、たまに訪れる局所的な状況把握においては、けっこう選択肢や個人としての指し手の好みが著しく露わになることもしばしばで、そういう時は本当に自分自身を丸ごと捉え直していく所にまで、その手を選んだ(選んでしまった…)意味を求めていくことしか前に進めそうにない様な感覚に襲われる。先手番の私が指した手は▲5八飛と飛車を寄る手だったのだが、この後訪れる駒の激しい交換を含んだ数手の読み筋を自分なりに予測して盤上に表現しきれなかった感があったので、そこは悔やまれる。以降、お相手の方の飛車切り、香車を取りながらの角成があって飛車銀両取りの金打ちを食らわされる流れとなる。ここでドラマがあった。
 私の飛車引きは、さりげなく馬取りに当てる手。これは技をかけるというよりも相居飛車戦では必ずと言っていい程出て来る下段飛車の利かしの一手、受けの手なのだが、これを相手の方は見逃してくれて、ポロッと馬が取れ、以降終盤の激しい斬り合いとなる。もし棋神解析手順の通りに後手が△3七馬と引いていたら、互角ながらも、体感的にはこちら押されていく流れとなっていったように感じる。実際、ここで角を持ち駒に出来たとはいえ実戦心理としては全くと言っていい程、楽な感は無かった(鳥刺し戦型ならではの守りの薄さのため)。そして、それは的中した。
 ピリピリする攻防の時間が続いた後、相手から桂打の王手が飛んで来た!さあ、どうするか!!取るか取らざるべきか。“詰むや詰まざるや”はとても有名だけれど、実戦をたくさんやっていくと、兎に角(特に)終盤では、この二択の判断を迫られることが多い。玉の逃げ方にも、これは言える(歩をたたかれた時に素直に同玉と応じるか、かわすか、下段に落ちるか)。解析結果は私の勝勢だったのだが、ここまでの神経つかう展開で気分は塞ぎ込んでいる感強く、あと疲れも出て来たか、正常な一手10秒判断が出来ず【取らずに逃げてしまった】のである゜⁠o⁠゜⁠゜⁠o⁠゜⁠。桂馬取った後、6七に空間出来て、そこに何らかの駒を打ち込まれ寄せられるのではという恐怖心が強く滲み出てしまったため、玉の早逃げを優先してしまったのだが、この場合はそれがいけなかった。【お相手の持ち駒】※銀桂香歩2に注視すべきであった。解析手順だと、いきなり6七に駒を打ち込むという方法では無く、金二枚による王手で、こちらの角を取る手順を選んでいる。これだと確かにありがたい。素直に桂を取っていたら、いわゆる“余している”という表現が当てはまる局面となっていただろう。本譜は逃げてしまったが故にフワッとした桂成が物の見事を決まってしまい、ここから私は負けの道筋へと連れされてしまうこととなった。お相手の方の振り飛車党らしい指し回し、積極性が印象に残った。そして正確な詰まし方も巧かった。ちょうど↓100手をもって後手△四間飛車側の勝利。
〘対局日時;2024年2月21日(水)午前3時23分〜/将棋ウォーズ10秒将棋·通常対局 対10秒初段の方〙