こどものころ、我が家は貧しかったので中学を出たら就職し高校は定時制に通おうと思っていました。
そのころは学校の半分以上は中卒、集団就職の時代でもあり、母一人子一人の暮らしのわが家では仕方ない事だと自分自身いいきかせていました。
ところが、中学の担任が奨学金があるので全日制の高校へ行けないだろうかと励ましてくれて月1500円の奨学金を借りて高校に入学することができました。
高校途中で生活保護を受けることになり生活保護を受けてまで高校を出ていいのだろうかと真剣に悩んだことを覚えています。そのことは学校にも級友にも黙って高校を出て私は地元に就職先を得ることができました。
高卒の資格を取ったおかげで職を得て42年間勤め続ける事ができたのです。
そのころから学歴ばかりでなく様々な資格が物を言う。資格は労働者の武器です。
友人には保育士〔保母)や看護師(看護婦)の資格を持つ友人もいます。
さらに高度の資格、弁護士や医師、税理士、会計士などもあります。
司書、助産師、保健師、教員、・・・資格を取れば職を得る事ができ生きていくことができる・・そういうものだと思っていました。
だからこどもにも私達夫婦の懐具合では少し無理な教育を受けさせるためがんばりました。
就職氷河期ではありましたが何とか職を得ていま社会に居場所を得て暮らしています。
ところが 今、これらの資格をとっても安定した職を得る事が出来ないという社会になっている。
私の住む市立図書館は指定管理者の運営になりそこではたらく人たちは司書の資格がもっていても地方公務員ではなく指定管理者の委託業者の社員です。もちろん公務員に匹敵するくらいの待遇をうけられるのであれば何も言うことはありませんが、それじゃあ、委託する意味がない。おまけにその会社の正規社員なのだろうか?知る由もありません。
市役所の窓口や病院の窓口は正規勤務ではなくほとんど非正規らしい。公立保育園も、いまや臨時職員。病院の看護師も!・・教員も・・
いまや、非正規社員が全労働者の4割と言います。資格をとっても生活が保障されない社会、これが日本の現状。
市役所も病院も図書館も私たちの回りで働いている人たちの4割は非正規?・・もしかしたら1時間1000円にもみたない賃金ではたらいている!(月の給料は1日8000円×20日=16万円)16万円×12月=200万円にみたない!ボーナスがあっても300万円にはみたないでしょう。
小泉政権で道を開いたこの規制緩和、非正規制度の拡大。新自由主義。それを良としている自民党政権は続いています。規制緩和が国民にとってどんな意味を持つのか。
そのころからマスコミは規制緩和が誰の為のものかを正直に報道しませんでした。
その罪の大きさを思う。
物価に見合うだけの賃上げをとキシダさんは言っているがこの非正規と言う悪手をやめないかぎり若者たちの暮らしはよくならないと私は思います。