皆さま、こんにちは。

 

11月1日、ワンワンワンの日の週。

先週に続きまして、

ワンちゃんの作品を3冊ご用意いたしました。

m(_ _)m

 

主人公の女の子アカリが

昔飼っていたワンちゃんのことを振り返ります。

12~24歳までを

「ソックス」と一緒に過ごしています。

 

アカリがソックスを迎えることになった

1番のきっかけは、家で1人で過ごす

時間が増えて寂しかったからでした。

医者であるお父さんは忙しく、

専業主婦であったお母さんは

病気で急逝してしまいました。

 

お母さんは、

アカリの気持ちを汲んでいて、

亡くなる寸前、お父さんに

「犬を飼うことを認めてあげてほしい」と伝えていました。

 

そして、アカリに対して、

いわば遺言として、

犬を家族として迎えるうえで、

必ず守らなければならない10のルールを遺します。

 

①たくさん、私と話をしてください

②ケンカはやめよう。あなたは私をぶたないで。私はあなたを噛まないから

③理解し合えるのに、時間をいっぱいください

④いうことを聞かないときは、理由があります。叱る前に考えてください

⑤私を信じてください。私はいつもあなたの見方です

⑥あなたには学校もあるし友達もいるけれど、でも私にはあなたしかいません

⑦私が年をとってもどうか見捨てないでください

⑧残念だけど、あなたと一緒にいる時間は10年くらいしかありません

⑨あなたと私がすごした出来事を、私は決して忘れません

 

10個目がブランクのままでした。

 

 

元々犬嫌いのお父さんと

アカリとソックス、3人での生活が始まりますが、

最初から試練が降りかかります。

 

医者としての能力を認められたお父さんに

総合病院への転職の話が決まります。

ただ、その病院の家族寮がペット禁止で・・・

ソックスを地元の友達の家に

預けて引っ越しすることになってしまいました。

 

お父さんは、すぐに何とかすると、

口では言っていますが、

全く実現する気配が無く、

2人で会話する機会も無くなっていき、

アカリはお父さんに対して不信感を持ちます。

 

そして、ソックスを預かってくれていた

友達の家でも、友達のご両親が

もう限界だと思い詰めていました。

 

ソックスの命であり心が

どのように守られるのか、

人間同士の信頼関係がどのようになっていくのか、

展開を追ってみてください。

 

 

犬嫌いだったお父さんですが、

ソックスのお世話を続けることで

少しずつ心境が変わっていきます。

これで全てが上手く行きそうなものですが、

今度はアカリの心境が変わっていきます。

 

大学生になったアカリですが、

目的が無く何となくこなしている学業と

ソックスの世話を交互に繰り返す

単調な生活に不満を持ち始めます。

 

他の学生達が過ごしている

華やかな大学生活をうらやましく

思うようになって、

ソックスに対して冷たくあたるようになります。

そしてソックスは家を飛び出してしまいます。

 

お父さんやお友達の助けもあって、

アカリは気持ちを取り戻します。

ここでソックスの方がすぐに

アカリのもとに戻ってきてくれたのが救いでした。

ワンちゃんの誠実さを感じます。

 

この出来事をきっかけに、

アカリは動物に携わる仕事をしようと決意し、

旭川の動物園に就職します。

ただ、これは転居がつきまとうもので

ソックスのもとを離れることになります。

 

気付きましたか?

子どもの頃、アカリがお父さんに対して持っていた不信感、

でも、後半はアカリの方が同じようなことをしてしまっています。

 

 

ソックスにもやってきた寿命の時、

アカリの帰りを必死に待つソックスの気持ちを汲み取ってみてください。

そして実は、お母さんは10個目の約束をきちんと遺していました。

その内容が最後にわかります。

 

 

気持ちが離れかけたアカリに対して

友達がかけた言葉がこちらでした。

ソックスを見てごらん。言葉は話せないけれど、一生懸命気持ちを伝えようとしている。

それが、精一杯生きるってことなんだよって。

 

アカリに影響を与えた動物園の園長の言葉です。

人を知ろうと思ったら、まず、動物を知ることです。

もし、この世に動物がいなかったら、私たちは自分を知る手がかりさえつかめなかったでしょう。