◆まずは近所の松尾寺から

 

 

西国第29番札所 松尾寺の御朱印

 

[西国第二十九番]

勅願所

[梵字]馬頭大悲閣

     丹後 松尾寺

          役場[松尾執事]

 辰三月十六日

 

 まず既述の通り、地元丹後の第二十九番の松尾寺から打ち始めています。「とよ」が住む上安久村からは至近で、丹後街道を東に向かえばすぐに到着です。すぐとは軽率な書き様でした。距離にして約十六キロメートル、標高差は約二百メートル。三月十六日付けの御朱印がありますので、「とよ」は同日に旅立ったと考えられます。青葉山(あおばさん)松尾寺(まつのおでら)は、丹後国加佐郡松尾村(現、京都府舞鶴市松尾)にある真言宗醍醐派の寺院。西国札所で唯一の馬頭観音を本尊としています。納経帳の松尾寺欄の墨書朱印は、まず「西国第二十九番」陽刻の朱印を右肩に捺し、「勅願所/馬頭大悲閣/丹後松尾寺/役場/辰三月十六日」と墨書し、「馬頭」の字の上部に、蓮華座付きの宝珠の中央に馬頭観音の種字の「ウン」を配した宝印、「役場」の「場」の字にかけて「松尾執事」の角印を捺しています。