雨の音がすごくて目が覚めた。

あぁ…空が…
私と一緒に泣いてる…

涙はもう枯れたと思ってたのに…
まだこんなに溢れてくるんだ




貴方は本当に王様だった。
プライドが高くて
芯が通ってて
真っ直ぐで…
フラフラしてる私にはとても眩しかった。

無邪気なところがあって
子供みたいで
ワガママで
素直で…
そんなところも大好きだった。

「言っとくけど貴女は8割方間違ってるからね」
「だから今更何?」
「許せないものは許せない」
いつも私の心に突き刺さった言葉。
真っ直ぐに向き合ってくれるストレートな言葉。

声を聞くといつも
あぁ…やっぱり好きだなって思えた。
いつも私を正してくれる言葉。
ずっと一緒にいたい
心からそう思える相手だった。


…だから何も言えなくなった…




いつからだろう。
初めからだったのかな?

嫌われたくない
独占したい
一番でいたい
ワタシダケミテテ…

----叶わない願い----




貴方と私は本当に正反対だった。

言葉一つとっても
話さない私と話す貴方。
文字が好きな私と文字が嫌いな貴方。
…でもね、最初は文字から始まったんだよ?

真っ直ぐで
ユーモアが効いてて
楽しくなるやり取り。

本当に好きだったんだ。

あぁ…そうか…
だから不安だったんだ。
貴方に惹かれて
貴方の魅力がわかってたのは他でもない私だから…



強くて
優しくて
ユーモアがあって
気遣いができて

好き嫌いがハッキリしてて
負けず嫌いで
実はものすごく繊細で
ヤキモチ妬きで

ホントはわかってた。
欲しい言葉も
欲しくない言葉も
だって根っこが似てたから。

いつだって求めてたモノは同じだったから。


いつから素直に言えなくなったんだろう…
貴方が好きだって。
愛してるって。

突き放されて
傷ついて
意地張ってるのはお互いなのにね。



本当はいつも繋がっていたかった。
寂しかった。

既読のつかないlineを何回も見返して
今何してるのかな…って
返事がこないlineに
仕事忙しいんだろな…って

我慢して溜め込んで…



貴方を探した。

あぁ…壊れてるなぁ私って思いながら
貴方を探す私がいる。

見つけた貴方の欠片はいつも楽しそうだった。

…ワタシヒツヨウナイ…

本当なにやってんの?
私バカみたい





甘い言葉で寄ってくる人なら沢山いた。
フワフワしたやり取りも
甘い囁きも
貴方以外の人から貰って何になるの?

貴方が良かった。
いつだって貴方の愛してるが欲しかった。



声が聞きたかったからって
電話してくれるのは嬉しかった。

声が聞けるのも嬉しかったけど
それ以上に「声が聞きたかった」っていう言葉が嬉しかった。
愛されてるって実感が欲しかった。
言葉が欲しかった。

でも言葉はいつもなかった。

アイシテル?
オレも…じゃない言葉。
サイゴマデ キカセテ?












この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。