今週は40年ぶりの寒波が襲い、長崎県で観測史上最高の大雪を記録しました。こんにちは、きのこマイスターの山田諭です。
長崎で雪が降ることなどほとんどありません。少し甘く考えていた私の誤算のはじまりです。
天気予報で積雪の予報が出ていたのでキノコ工場周辺のライフラインの点検と防寒対策を終え、その日は早めに休みました。
翌日は早朝に目が覚め、窓の外を見ると、人生で初めて目にする白銀の世界に呆然。慌てて着替え、片道歩いて30分の雪道に足を取られながら会社(キノコ工場)へ。長靴がスッポリと埋まってしまう雪の量にかなり動揺してしまいました。会社に到着するや否や工場内のキノコの様子、電気、水道、ガス、ボイラー、を慌てて点検しました。
問題なし!
よかったーーー!
工場内のキノコ設備は正常に稼働していました。張りつめた緊張が解け、温かい珈琲を煎れて飲んでいると、外でにぎやかな声がします。
ベトナムから来日している外国人研修生たちです。雪を見るのが初めてで、記念撮影に雪合戦と大はしゃぎ。誰に教わったのか駐車場に雪だるまが出来ていました。(笑)
たまたま日曜日だったので社員も集荷もお休み。ちょっとだけのんびりさせてもらいました。
翌日、月曜日になっても一向に止む気配のない雪は、更に量を増し社員を足止め。やむなく徒歩圏内の社員のみでの営業です。生き物を扱っている以上、簡単に休業するわけにはいきません。収穫をはじめ栽培管理は毎日欠かせない業務です。
そんな中の大事件でした。
水が出ない!
凍結防止対策で工場周辺の水道管には保温材を数十メートルも巻いたので凍結するはずがない!おかしい・・・
私たちのキノコ工場では栽培管理の為、毎日2~3tの水を使います。家庭のお風呂の約20杯分です。
その水は工場から2kmほど離れたところにある源泉の天然湧き水を使用してきました。先代が残してくれた貴重な宝物です。ボーリングした地下水よりもはるかに水質が良く飲料水としても申し分のない甘みある水。夏でもとても冷たいこの水はキノコ栽培に最適なのです。
おそらくその水源か?そこまでの間の配管にトラブルが発生しているに違いない。
大雪だろうが、台風だろうが、こんな時はいつも何の迷いもなく水源まで点検に向かいます。雪が覆いかぶさって、配管は埋もれ点検などできるはずがないのに。それでも元気がなくなっていくキノコを見ていると、いてもたってもいられません。山中の道なき道を進みます。
キノコ工場の雪景色をながら水源まで向かいます。
破損の可能性のある個所を勘を頼りに確認していきます。1時間、2時間、5時間、あっという間に日が暮れます。原因がつかめず、電波も入らないこの場所を暗くなる前に初日は引き上げました。
気になってなかなか寝付けず、うとうとしているうちに朝を迎えました。作業2日目です。少し雪が解け始めあちらこちらに源泉から引いた水道の配管が見え隠れしています。
距離にして約2kmの配管を強度のある配管へ切り替える計画を立てていた矢先の大雪でした。水流を確認するためのポイントで点検しても水が流れていません。雪の中でもポイントを見逃さないよう赤いテープでマーキング。結局2日目も原因を見つけることが出来ず断念。
工場の水をまかなっている貯水タンクは既に空っぽ。栽培室の霧は止まり、暖房用のボイラーも稼働できません。このままだと全て枯れてしまいます。
作業3日目、地肌が見えはじめた山道を原因究明に向かいます。
いつもなら湧き水が途切れると市の水道水に切り替わる仕組みになっているているのですが、こんな時の災難は重なるものです市の水道は複数個所で水道管が破裂し町全体5000戸が既に断水状態です。切り替えようにもできない、しかも、復旧のめどが立っていません。何としてでも湧き水を復活させるしかないのです。
そんな中、今日は親友が会社を休んで手伝いに来てくれました。いつも私たちを応援してくれているかけがえなない友です。
ありがたい親友の存在。
孤独な作業も親友がいてくれるだけで不思議と力が湧いてきます。元気をもらい更に作業を進めていく中、静まりかえった山の中で微かに水の流れる音がしていました。走って駆けつけた先にようやく水が噴き出している個所が見つかりました!
※お詫び
あまりの嬉しさにここだけ写真を取り忘れていました(笑)
しかも、一番肝心なところ。
破損の原因はこれです。
大雪に埋もれたエサを探すために地中を荒らしていたイノシシです。足跡からすると大人の男性くらいの大型でしょう。鋭い爪でそこらじゅうをあさって勢いで湧き水の配管を壊していたのです。
ひとまず、見つかって一安心です。配管の応急処置を急いで済ませたあとは意気揚々。疲れも忘れ跳ねるように下山です。あっという間に工場までたどり着き、真っ先に湧き水を溜めている貯水タンクへと向かうと・・・・
きたーーーーー!!!
勢いよく水が戻ってきてくれました。
ご先祖が残してくれた宝物。大切な資源。この水のおかげで私たちは仕事が出来ている。美味しいキノコを生産できている。自然との共存、家族や仲間の有難さ、大雪の被害は受けたけど、大切なことを沢山学びました40年ぶりの寒波でしたが、改めて感謝しなければならないことに気付かせてもった数日間でした。
もっともっと、美味しいキノコを作ろう!そんな気持ちでいっぱいです。
山を下りてくる途中大きな天然の霊芝を見つけました。
「健康キノコの専門店」
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