『fff/シルクロード』観てきました⑦【fffネタバレ注意】 | Tomorrow is another day.

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宝塚、そして望海さんへの想いを中心に綴っています。その日までも、その日以降も、一緒に走り続けたい!
雪組中心の全組観劇派。宝塚が日常の日々に憧れるアラフォー社会人。
ゆるゆる~と、観劇感想や日々のことなども書いていきたいと思います。

そろそろ私の期間限定★観劇週間が終わってしまいますので、お芝居のこと深掘りしてみましょう。
1回で分からないなんて親切じゃない、エンタメじゃないなんて言ったらダメ!1回で分からないのは、理屈で理解しようとするからよ(…と初見の時の私に言いたい)、別に感じるだけなら1回で充分楽しめる。Don't think, feel!
だけど私は深掘りするのが好きな性分なもので、何度か観たのでこうなのかなぁ~って思うことをつらつら書きますね。
思いっきり私見&がっつりネタバレ、ほんとにネタバレにて、ご注意下さい。


最初に感じたのは、圧倒的強さ。
全てを飲みこんでいく、暴力的ともいえる強さ。
雷鳴と大砲の音が騒々しい、でも、雄々しく、強く、激しく、輝く『英雄』のその強さに、私は心を掴まれる。
ひたっと存在する謎の女。本当に支配しているのは私よ…。

再び登場するときは、耳鳴りの音。斬新すぎる。トップ娘…がとか思っちゃいけない(思ってないけど)。謎の女の正体が分かればストンとおちる。

謎の女、劇中劇ウェルテルの傍にも、そっと居る。月光の旋律をuh~っと歌い、歌声はクレッシェンドしていく。謎の女の存在感が増してゆく。ウェルテルは銃を受け取りこの世に別れを告げる。

身分違いの恋人には手酷くふられ、心の友(片思い)ナポレオンに裏切られ、耳は聞こえない。孤独の中で彼を支えるのは身体の内にある音楽だけ。

家政婦がいなくなった。部屋にはベートーヴェンと謎の女だけ。雑用を押し付けられ不機嫌な謎の女。飯の支度しろ、コーヒー入れろ、『お前(謎の女)の声だけは聞こえる』からと手紙を読め…。
ベートーヴェンは『人と会えない、結婚できない、耳聞こえない、体調悪い!!』と苛立ち、怒り、戸惑う。謎の女は、自分のせいじゃ?と笑うけれど、何故かそっと傍にいる。

ピンク&エプロンの謎の女が登場し、どうしたんだその衣装(笑)?と思った我々の気持ちを代弁するベートーヴェンさん。『なんだ?その格好は!?』『私はあなたの想像上の生き物よ』とつげる謎の女。ん?ということは、ベートーヴェンさん、服のセンス…やばっ(笑)クスッとポイントは、まあまあ織りまぜてある。

ゲーテこそ俺の理解者、自由の表現者と思って会いに行ったら(←謎の女を通訳として同伴し)、『今はそんな時じゃない、もっと大人になれ(意訳)』的に諭されシュン。心の友に勝手に失望したうえに、失聴したことを世間に知られ、身体の内にある音楽を表現する路さえ絶たれた。失意の元ボンに帰ることを決めたベートーヴェン。

ボンでは、ルイの心の拠り所ロールヘンがお産で亡くなり、葬儀の最中。絶望のなか、最後の灯火小さな炎(ひーこ)も消えたかに思えた…。

朦朧とした意識で再び心の友ナポレオンと出会う。ナポレオンに怒り、愚痴り、嘆くベートーヴェンだが、ナポレオンの自由への構想を聞き、勝手に裏切られてたのは自分と気づく。再び立ち上がる!力が漲る!自由とは音楽だ!!!ここが好き!!!最初退屈だったけど(オイ)、ふにおちて、そして咲ちゃんの演技がパッション溢れてきて、ますます好きになった。

ナポレオンが死に、消えていた謎の女が現れる。『どこに行ってたんだ』と怒るベートーヴェン。自分が『疫病神、消えろ』って言ったくせに。

『お前は誰だ』と聞くベートーヴェンに、謎の女は正体を明かす。『私は不幸』誰の人生にもいて、この世の苦しみ悲しみ全てをあらわす。そして苦しみから解放してやろうと、ナポレオンの形見の銃をとる。でも、ベートーヴェンは歌うんですよ。お前の苦しみ悲しみ全てを受け止め、共に人生を歩みたいって。お前は運命だって。

だから私は、これは人生の苦難を、自分の人生の同伴者として共に苦しみながらでも生きると決めた、命の話だと思ってます!!!!

ベートーヴェンが、自分と自分の人生を受け入れた、生きる喜びを手にいれた、その歓喜を曲にした。人生の旅路を共に歩む運命(謎の女)と創り上げた【歓喜の歌】でフィナーレ。

やるならやってみろ、運命よ
まさに、そう。これは挑戦ではなく、
どんなお前でも、俺は抱きしめ共に歩む。人生の旅路の同伴者ってことだね。
だいきほの集大成として、この作品で本当に良かった。