理学療法とは? 理学療法士協会HPより 理学療法とは病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。
理学療法と作業療法の違いは? 理学療法は主に運動療法と物理療法をメインとして治療していきます。 作業療法は、作業を対して治療を行っていきます。 対象疾患は似ていますが、作業療法分野のほうが精神疾患に関わっていくことが多いです。 とはいえ、うつ病などの病気に対する理学療法(運動療法)も重要と言われています。
うつ病に対する運動療法 参考:flyer_20180827.pdf 運動は、エビデンスに基づいたうつ病に対する治療です。 理学療法士は、 長期化した健康問題によってうつ病を発症した方の治療も担当しています。 からだを動かすことで、からだとこころの健康向上を目指すことができるのです。
メンタルヘルスに関する意外な事実 • 4人に1人が、生涯のうちに何らかのメンタルヘルスの不調を経験します。 • こころの病気を抱える患者において、若くして亡くなる方の死因の7割は身体的な問題です。 • メンタルヘルスの問題は、世界中における疾病負荷を大きくする原因の一つです。
メンタルヘルスに対する運動の効果は? • うつ病発症の予防 ・うつ病患者に対する抗うつ効果 ・うつ病や統合失調症を持つ方は、理学療法士の指導のもとで運動することで、運動を継続できる可能性が高まります。 • メンタルヘルスの不調の予防 ・メンタルヘルスに不調をかかえる方の生活の質や自己肯定感の向上
理学療法を受けるには? 理学療法の多くは、病院、診療所、老人保健施設、老人ホームなどで行われています。
うつ病による入院中に運動療法を継続し運動機能とうつ症状に変化を認めた一症例 参考文献:ja 運動によりうつ症状は軽減し予防できるという報告が散見される。 うつ病は患者数が100万人を超え自殺の重要な要因であり,運動療法の効果は検討される余地がある。
【症例提示】 70代。女性。診断名:うつ病。焦燥感と意欲低下あり医療保護入院。 入院後5日(以下Y+〇日)理学療法開始。 開始時評価:歩行;free hand裸足にて軽介助。入院後,転倒あり。 服薬:ミルタザピン15mg,アリピプラゾール3mg(退院まで同量)。 歩行能力(歩行速度・歩幅・歩行率)・うつ症状(自己評価尺度Zung Self-rating Depression Scale(SDS))を随時測定。
【経過】 病室にて3日/週の運動療法を実施し歩行の安定性は向上したが,自室を出ることは拒否していた。Y+85日頃より運動量の増加に伴ううつ症状の改善を目標に,実施場所をGymへ,プログラムをエルゴメーターに変更した。SDSは52点であった。 エルゴメーター20W×5分から開始し,1週ごとに1分増加した。 約2ヵ月後,歩行速度40.2m/分・歩幅0.36m・歩行率112.6歩/分。SDSが50点となり,Y+162日で自宅退院。 退院時評価:歩行;自立。歩行速度49.8m/分・歩幅0.40m・歩行率126.1歩/分。
【考察】 開始時に動作能力の低下を認めたが,運動療法により歩行能力が改善した。 動作能力を維持・向上させるためにうつ病の患者に対して理学療法は有用であり,自宅退院につながる要因のひとつになると考えられた。 エルゴメーター開始後に,SDSが2点減少し理学療法実施中の発話の増加を認めた。 うつ症状がわずかに変化した可能性が示された。
今回はうつ病に対する理学療法についてご紹介しましたが、作業療法に関する記事もまとめています。よろしければご覧ください。 Ⅱ うつ病の回復過程【急性期・回復期】と精神科作業療法の役割 〜家族支援、復職支援〜 Ⅲ 精神科作業療法で活用される治療法ごとのエビデンス(根拠) Ⅳ うつ病の作業療法に利用可能な評価尺度 〜リンク先を整理しています!〜
●このブログの内容を整理してまとめたサイトはこちら● うつ病になったけど 〜Reiraの夢〜 Story of Melancholy
Reira
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