5.まおの瞳


居酒屋で食事してるとき、まおはあまり話すことはなかった。


どちらかと言えば、同僚がペラペラと話していて、まおは頷くだけという感じだ。



しかも全く食べないのだ。



「まおちゃん、これ美味しいよ。」



僕は唐揚げをすすめてみた。



「・・・ありがとうございます。」



お礼を返してはくれたが、まおがその唐揚げを口に運ぶことはなかった。



「こいつ、もともと全然食わないんですよ~。小食ってやつですかね。」



同僚は軽く言っていたが、小食っていうより食べることを拒否しているような気がした。



この二人の出会いは同僚のナンパかららしい。



で、なんとなく同僚の方からまおに告白してOKという流れだ。



まおはどこか寂しい顔をしていたのを覚えてる。



付き合いたてで幸せなはずなのに、目が冷めているというか寂しいというか、そんな感じだ。



あまり話すこともなく、時間は経ち、食事会は終了した。



別れ際に連絡先を聞きたかったが、同僚の彼女っていうのがあるので流石に聞けれなかった。



家路と向かう車の中、僕の携帯が鳴った。



「もしもし。」



「まおです。さっきはありがとうございました。」



まおからだった。



どうやら、同僚にお礼が言いたいからと言って連絡をくれたらしい。



「また・・・会えるかな?」



俺はつい、何も考えず言葉を発していた。



「はい。また遊びましょう。」



すんなり、OK。




この日から、僕とまおはメールをし始めた。