こんにちは
福岡はしばらく雨が続きそうです
今回は「心理的な瑕疵」についていくつか事例をご紹介します。
心理的瑕疵と認められるには、「通常一般人において、買主の立場に置かれた場合、当該事由があれば、住み心地の良さを欠き、居住の用に適さないと感ずることに合理性があると判断される程度の心理的な欠陥」が必要です。
代表的は心理的瑕疵は「過去に自殺ないし殺人事件があった物件」です。
不動産業界ではこのような物件を「事故物件」と呼んでいます。
具体的な事例をご紹介します。
■横浜地裁平成元年9月7日判決
居住目的でのマンションの売買契約において、売主の妻が6年前に自殺していたことは隠れた瑕疵にあたるとして、売買契約の解除と買主からの損害賠償請求を認めた。
■東京地裁平成7年5月31日判決
永住目的での土地建物売買において、建物に付属している物置で6年11ヵ月前に当時の所有者が農薬で自殺を図った(病院で死亡)ことは隠れた瑕疵であるとして、売買契約の解除が認められた。
この事例では、「母屋ではなく付属の物置で」、「実際に亡くなったのは物置内ではなく病院で」という事案でしたが、東京地裁は「心理的瑕疵」と認め、売買契約の解除を認めました。
また、本件売買物件は、自殺後約6年11ヵ月経過後になされたものですが、自殺という重大な歴史的背景、本件土地、建物の所在場所が山間農村地であることに照らすと、問題とすべきほど長期ではないとの判断がくだされました。
人の移り変わりの激しい都会と人の移動の少ない地方では、自殺後経過年数に関する結論は変わってくるかもしれません
■大阪地裁平成11年2月18日判決
建物を新築して分譲する目的での土地及び建物の売買契約において、2年前に当該建物の中で首吊り自殺があったことは、瑕疵に該当しないと判断されました。
この事例は当初から当該建物を取り壊す予定であったため、心理的瑕疵と認められませんでした。
つまり、自殺があった建物をどうように利用する目的で売買契約が締結されたかによって、結論に影響がでるということです。
○永続的に居住予定→瑕疵と認められやすい
○建て替え予定→瑕疵と認められにくい
■大阪高裁平成18年12月19日判決
土地の売買において、土地上にかつて存在した建物内で8年半前に殺人事件があったことが、土地の隠れた瑕疵に当たるとされ、売主に売買代金の5%に相当する損害賠償を請求を認めた。
殺人はことさら嫌悪感が大きく、近隣住民にとってもその記憶が残っていることが多いため、瑕疵と認められる可能性は高いと思います。
■東京地裁平成7年8月29日判決・東京地裁平成9年7月7日判決
前判決事例では購入した物件のすぐ近くに指定暴力団事務所があり、後判決事例では購入したマンションに平穏な生活を乱す迷惑行為を行う暴力団組員が居住していました。
両事例とも、売主の損害賠償責任は認められましたが、契約の解除は認められませんでした。
読んでいただきありがとうございました


福岡はしばらく雨が続きそうです

今回は「心理的な瑕疵」についていくつか事例をご紹介します。
心理的瑕疵と認められるには、「通常一般人において、買主の立場に置かれた場合、当該事由があれば、住み心地の良さを欠き、居住の用に適さないと感ずることに合理性があると判断される程度の心理的な欠陥」が必要です。
代表的は心理的瑕疵は「過去に自殺ないし殺人事件があった物件」です。
不動産業界ではこのような物件を「事故物件」と呼んでいます。
具体的な事例をご紹介します。
■横浜地裁平成元年9月7日判決
居住目的でのマンションの売買契約において、売主の妻が6年前に自殺していたことは隠れた瑕疵にあたるとして、売買契約の解除と買主からの損害賠償請求を認めた。
■東京地裁平成7年5月31日判決
永住目的での土地建物売買において、建物に付属している物置で6年11ヵ月前に当時の所有者が農薬で自殺を図った(病院で死亡)ことは隠れた瑕疵であるとして、売買契約の解除が認められた。
この事例では、「母屋ではなく付属の物置で」、「実際に亡くなったのは物置内ではなく病院で」という事案でしたが、東京地裁は「心理的瑕疵」と認め、売買契約の解除を認めました。
また、本件売買物件は、自殺後約6年11ヵ月経過後になされたものですが、自殺という重大な歴史的背景、本件土地、建物の所在場所が山間農村地であることに照らすと、問題とすべきほど長期ではないとの判断がくだされました。
人の移り変わりの激しい都会と人の移動の少ない地方では、自殺後経過年数に関する結論は変わってくるかもしれません

■大阪地裁平成11年2月18日判決
建物を新築して分譲する目的での土地及び建物の売買契約において、2年前に当該建物の中で首吊り自殺があったことは、瑕疵に該当しないと判断されました。
この事例は当初から当該建物を取り壊す予定であったため、心理的瑕疵と認められませんでした。
つまり、自殺があった建物をどうように利用する目的で売買契約が締結されたかによって、結論に影響がでるということです。
○永続的に居住予定→瑕疵と認められやすい
○建て替え予定→瑕疵と認められにくい
■大阪高裁平成18年12月19日判決
土地の売買において、土地上にかつて存在した建物内で8年半前に殺人事件があったことが、土地の隠れた瑕疵に当たるとされ、売主に売買代金の5%に相当する損害賠償を請求を認めた。
殺人はことさら嫌悪感が大きく、近隣住民にとってもその記憶が残っていることが多いため、瑕疵と認められる可能性は高いと思います。
■東京地裁平成7年8月29日判決・東京地裁平成9年7月7日判決
前判決事例では購入した物件のすぐ近くに指定暴力団事務所があり、後判決事例では購入したマンションに平穏な生活を乱す迷惑行為を行う暴力団組員が居住していました。
両事例とも、売主の損害賠償責任は認められましたが、契約の解除は認められませんでした。
読んでいただきありがとうございました

