「告白」 | 井口玲音 オフィシャルブログ

「告白」

『観なければ良かった。。。。』

これが一番はじめの感想です。

以前、読んでおもしろかったとお伝えした
港かなえさんの小説「告白」。

その映画を、先週末観てきました。

小説と大きく変わったところはなく
映画は、映像化された分、残酷な部分はよりリアルに
より悲しみに溢れたものになっていました。

どうして私は、この小説を面白いと思ってしまったんだろう。。。
どうして、映画を観に、はりきって劇場に足を運んだんだろう。。。

観に来た人は、これを観て何を得るのだろうか?
何を求めて、この作品を観ているのだろうか?

監督は、何を伝えたかったのだろうか?
役者たちは、どんな気持ちでこの作品に関わったのだろうか?

あれこれ考えてしまいました。

私は、同じ中島哲也監督の「嫌われ松子の一生」という作品が好きでした。
それは、悲しい人生を歩んだひとりの女性の一生を描いた話しでしたが
あの作品には希望が見えたし、
音楽の明るさや、映像の美しさも兼ね備えていたからです。

でも映画「告白」の中では
期待していた「希望」を見いだす事ができませんでした。

ただただ残酷で
ただただ恐ろしくて、、、悲しかった。。。

この作品の原作を面白いと感じてしまった自分が
情けなく、そしてものすごく
悲しくなりました。

役者としては
難しい演技をして、やりがいがある作品かもしれません。
でも、芝居とはなんのためにあるのでしょう?

これを観た子供に悪い連鎖が起こらないか、
人間の心が、残酷なことに慣れてしまうだけなのではないか
不安になりました。

感想は、きっと人それぞれで
正解なんてないことは分かっています。

ただひとつ、あの作品に希望を見いだすとしたら
ラストシーンで松たか子さんが言った

「なぁーんてね。」
の台詞が「本当」でありますように。。。

あの涙が、本物でありますように。。。クローバー