音が気に障る
あれだけ大好きだったはずなのに、大嫌いなものになっている
いや…嫌いというよりも不必要になっている
街を歩くと喧騒ばかり
だからこそ、音楽は騒めきを消すけれど、もう必要ない
今まで知らなかった自然の奏でる音を聞いていたい
机に向かってはみたものの
浮かんでは消えてを繰り返す
そして数年前の"音"を聴いてみる
昔の仲間や、今いる人も
それを与えそれを奪う人達だけが情熱を持ち続けている
生活から音楽を消してしまえば、苦しみから解放されると思っていたけれど
また別の苦しみが待っている
テレビやラジオから流れる音もいらない
また、つまらない会話を繰り返している
人間はみんな寂しがりな生き物と傍観してみる
僕はどうやら違った人間なんだろう
誰かといるのは楽しいけれど
そこに意味や価値を見出せるのは、あくまでも満たされた状態であるからなんだろう
一人になってみると、よりそれを実感する
いつの日からか、夜明け前に聞こえる騒音だけが、僕にとって最も心地良い音となっていた
安らかに眠りについたふりをして
意味のない朝を迎える
こうしているうちにも、時計の針はぐるぐる廻るのに
僕は僕の時計台で縄に首をかけようとしている
そしていつの日か、自分にとっても誰かにとっても、自分が不必要なものになる事だけを悟る