率直に書きます。

が、私的意見です。私は子供を日本の小学校に通わせていないので、かつての自分と現在の体験がもとになっています。オランダ人がすべてそうだとは限りません。

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子供が算数で間違った箇所を、自分で正解が導けるようになるまで教えていたある日の私。

気づけば1時間。

子供も泣き出すし、もう大変。

そして、ふと思いました。

「オランダの小学校は宿題がないばかりか、こうやって復習することもない。どうして？それでいいの？」

そこで気づいた、オランダと日本の小学校の違い。

それは、親や先生が、「子供がわからないことをわからないままにする」かどうかなんじゃないかと。

宿題のないオランダの小学生

モンテッソーリやシュタイナーなどのメソッドに関わらず、一番大きな違いは、宿題がないことです。

オランダの小学生は、学校の時間以外で勉強している子はほぼいません。

塾に通っている、など聞いたことがありません。アジア系の子は別です。

放課後や余暇の過ごし方は以下4つ。

1. スポーツや音楽などの習い事に費やす

2. 家族と時間を過ごす

3. 友達と遊ぶ

4. 学童で過ごす

日本語補習校でも週に1度宿題がどっさり

日本では小学生でも、宿題が必ず出ると思います。

我が子の日本語補習校（国語と算数）の宿題を見ていても、お勉強することや覚えることがたくさんです。

先生に会って習えるのは、週に1回ですから、海外では親のサポートがより必要です。

そして、先生から、間違った箇所の復習が大事だと言われています。

どうして間違ったのか。

どうしたら正解を導けるのか。

個人的にも復習は大切にしたいと思っているのですが、この復習に大変時間がかかってしまい、子供のやる気を損ねてしまうことが多々あります。

親だって、あの手この手を使って、なんとかわかってもらおうと努力します。

しかし、1問を正しい解答に導くのに、1時間半ほどかかることもザラです。

子供は泣き出してしまいます。

そこでもちろん湧いてくるのがこの疑問。

「どうしてオランダ人は宿題やらなくていいの？学校の勉強の復習しないの？」

どうしてオランダ人は宿題やらなくていいの？

他にも、

「友達は遊びに行ってるのに、どうして僕はいけないんだ」

「どうして宿題ばっかりやらなきゃいけないんだ」

といった疑問は日々繰り返し問われます。

同じ7歳なのに、どうしてこうも違うのでしょう？

オランダの子供は地頭がよくって、学校の勉強だけでまかなえるのでしょうか。

いやいや、違います。

オランダの小学生は、「わからないことをわからないまま」にできるんだと最近思い始めました。

それは、わからないことを「放置する・される」とも言えます。

「理解する」「できる」ことを全員に求めない

オランダの小学校でやった創作物なり、プリントなりを持ち帰ってきます。

けれども、先生のチェックが入っていないこともあるし、間違った箇所の復習なんて求められもしません。

「今日はこういうことをやったので、家でも練習できるといいですね」

なんて弱いメッセージは飛んでくることがあります。

日本のように、国語でも算数でも確認の小テストなんてありません。

どの子がどの程度その単元を理解できているかを、オランダ人の先生は知らないと思います。

わからないことを、わかるまで先生にしつこく聞ける子でなければ、

「へぇ、そんなもんなんだ。まいっか」

で終わってしまうのです。

つまり、同じタイミングで「理解する」「できる」ことを、先生は全員に平等に求めていないんですよね。

クラスには、誕生日の違う子が混ざり合っているので、理解力の差があっても当然といえば、当然なのです。

今、この時に、これら20個の漢字をみんなが覚えていないといけない、なんて強迫観念はオランダの先生には皆無なんですよね。

時計が読めない子がいたって、仕方ない。そのうち読めるようになるさ。というだけの認識なのです。

12歳で振り分けられる子供の将来

このブログでも何度か書いていると思いますが・・・

オランダの小学校では、日本よりずいぶん早いタイミング、12歳に行われる全国統一テスト（CITO）で、その後のレベルを振り分けられてしまいます。

職業訓練校から、大学進学校まで5つほど種類があります。

お勉強が好きで、もしくは得意で、親がサポートしてくれて、でなければ、おそらく

「君はCITOで低い点数だし、そんなに大学へ進むことも興味なさそうだね。

じゃあ、中学校から職業訓練校へ」

と進むことになるでしょう。

日本でいう専門学校のようなものです。

一方で、大学進学校に進む子は、そこから毎日大量の宿題をやることになります。

本もたくさん読む必要があります。

ギリシャ語、ラテン語を必須とした５言語を習い始めます。

12歳まで学習してきたことの理解力、読解力やプロセスを見て、その子にその後訪れる学習量をこなせる能力があるのか、家庭のサポートが得られているかを見られているんですね。

できる子はどんどんできるようになる

オランダにも「飛び級」があります。

お勉強が得意な子は通常より上のグループ（学年）へ進めます。できる子には、どんどん与え、進めます。

良いところをどんどん褒めて伸ばす。

それがとてもオランダらしいです。

その一方で、お勉強に興味のない子は、家庭でのサポートもなければ、お勉強に興味のないままになってしまいます。

結局は何ごとも本人次第。

自己責任。

勉強ができないのは、先生のせいではないのです。

そして、大学に行かずとも、その道を選んでハッピーであれば、それでいいわけなのです。

わからないことをわかるようにするのはどのくらい大切なことなのか

「テストで間違ったところを復習しながら生きてきた」私としては、

「間違った箇所をそのままにしてきたけれど人生ハッピーで生きている」オランダ人たちを見ていて、非常に理解に苦しみます。

あんなに勉強してきたけれど。

復習はきっと大事で、繰り返してきたことは間違いではないはずだけれど。

わからないことをわからないままにする、って、なんとなく私にはあり得ないんだけれど。

自分の人生を謳歌する能力に関しては、オランダで生きる人々の方が高いことが明らかです。

なにか統計があったら、今度ここに参照したいと思います。

オランダと日本の小学校の違い、わからないことをわからないままに