夜中0時すぎでした。
隣から夜中に好ましくない物音が聞こえてきました。
いつものことだ、気にしないようにしよう、でも大丈夫かな。
そう思ってベッドに入ろうとした時。
ガラスが割れる音。
隣との壁に耳を押し当てると、「ピー、ピー」と鳴り続けるビープ音。
そして、なんだか焦げ臭い。。
リビングにいた主人のところへ走って、これは異常だ、さすがに警察に電話したほうがいいのでは、と。
オランダの緊急番号は110番ならぬ112番。
声を震わせながら電話を。
その間に主人が恐る恐る廊下側を覗いて見ると、
「これはやばい、ガラスが割れて煙が出てる!!!逃げよう」と。
112番に繋がると、すでに私より前に通報を受け、消防車が向かっているとのこと。
電話を切って、急いで寝ている息子や、犬の事、貴重品を持って。。
と準備をしながらふと廊下と真逆の庭側を見ると、
隣の窓から大きな炎が。。
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と、昨夜夜半過ぎに、とんでもない事件が隣の家で発生しました。
私たちがこのマンションに引っ越しを余儀なくされたのは、
1ヶ月前です。
住み始めてから、
どうやら隣に精神疾患のある人が住んでいることが、
彼の奇行から明らかになりました。
6年もここに住んでいる人に話を聞くと、
・こんな事件一度もなかった。
・事件を起こした本人も、2年以上住んでいるが、奇行を起こし始めたのはここ数週間。
・ここ数年仕事をしていなかった
・1日に数回飼い犬の散歩に出かける
とのこと。
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彼は精神を病み、助けを求めていたようです。
彼の心を許しあえた友は、一緒に住んでいた黒のラブラドールだけだったのでしょうか。
1日に数回お散歩に出る時に挨拶を交わしたことが幾度となくありました。
警察による調査の結果は具体的になされていませんが、
おそらくガス中毒による自殺を図り、引火し爆発したと思われます。
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夜0:40頃外に出ると、すでに逃げた住民が集まっていました。
私は気が動転して手元がおぼつかず、膝がカクカクしていました。
警察により、近所のマクドナルドが店を開放してくれ、私たちはそこで暖をとり、水分補給やトイレを使うことができましたが、
警察による調査のため朝5時頃、ようやく家に戻ることを許されました。
その間、市長が訪れ一人ずつに言葉をかけ、
"Bevolkingzorg"というサービスを行う人が、被害者である私たちのケアのため来てくれました。
今回はありませんでしたが、
こういう事件事故の場合、必要があれば市役所がホテルや滞在先のアレンジをしてくれるそうです。
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結果的に、私たちの家の室内に目立ったダメージはなかったのは不幸中の幸いでした。
ただ、玄関の扉だけは調査のため壊されていましたが。
2時間ほど仮眠をとりましたが、
焦げた臭いが漂い、警察や消防による鑑識などでずっと物音がしていたので、
ほとんど練れませんでした。
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彼の奇行が明らかになってから、
私たちはビクビクしていました。
彼はこの火事により亡くなってしまい、危険は拭い去られたのかもしれませんが。
これを喜んでいいのかどうなのかいまいち現実が飲み込めていません。
もし、あのガス爆発があと少しでも大きかったら。
私たちの家も吹き飛んだかもしれません。
今回の事件で怪我をした人はいませんでした。
それを考えると、不幸中の幸いである事は確かな気がしています。。
4歳の息子も、まだそこまで事態を重く捉えてはいなそうです。
大人の私たちとしては、
気持ち的に日常に戻るのには時間がかかりそうな気がしています。