鈴木さんが要求した書類
鈴木弁護士がギャリーに提出を求めたのは、
- ギャリーの出生証明書
- 身分証明書(パスポートではなく登録された自宅住所が書かれているもの)
- 送金先であるエフライム氏の身元証明
- エフライム氏の所属先の詳細を示す書類
パスポート画像の偽造は国際ロマンス詐欺の十八番です。自分が本物であることを示すために、画像加工したパスポートをしばしば被害者に送ります。
たいていの場合、被害者から身分証明を求められたらパスポートで済むケースが多いのかもしれません。ギャリーは鈴木さんのリクエストに不満で、今はパスポートしか出せないと言っていました。そしてシリアの現状を訴える。
これらの書類をわざわざ作る設定が彼らにはできていないのです。エフライムという送金先の人物というのはおそらくはトルコにいるガーナ人の留学生か出稼ぎ労働者で、詐欺のことは知りません。友達に頼まれて海外からの送金を受け取ってくれるという役割でしょう。そのエフライムさんの個人情報を出してしまうと、詐欺団も逮捕などの危険が出てくるかもしれない。
鈴木さんの果たす役割
詐欺師が出したがらない情報を求める。わざわざ面倒な書類を作らなければならない状況にさせる。
鈴木さんは法にのっとった手続きを行いたい真面目な弁護士です。だからこそ、きちんとした書類がそろわない限りは送金の手続きを踏むことができないのです。
書類を前に難しい顔をする鈴木さんのアシスタント