ゲンゾウの送金がうまくゆかない理由

ゲンゾウが送金したはずのお金が、トルコの銀行口座に入っていない。銀行に確認をするようにと言っていたギャリー。

 

Yahoo Boys, Sakawa Boysの場合、木曜か金曜に金銭要求、緊急性を煽って週末に入る前に送金させるという手口はしばしば使われるそうです。ゲンゾウの振り込んだことになっているお金がトルコの銀行口座に入金していなかったことから、すぐにでも送金してほしいとギャリー。しかしその日は金曜日。銀行窓口が開いているのは午後3時まで。しかも翌月曜まで日本は連休。

 

詐欺師側は木曜や金曜に急かしてお金を振り込ませるのですが、逆に詐欺師を手玉に取る場合は土日を利用して「振り込めない」を作る。しかもこの時海の日もあり、三連休でした。

 

ゲンゾウは実際にはお金を振り込んでいません。しかし本当に振り込んだとしても、銀行口座は本物の被害者が警察に届け出たなどして凍結されていたということも考えられます。このことの後、日本の銀行口座を指定してきたので。

 

 

 銀行口座の名義人は誰?

 

国際ロマンス詐欺でしばしば使われる個人名義の銀行口座。近年は日本国内の口座番号が使われているケースが少なくない。

 

日本の振り込め詐欺だと、振込先の個人名は口座を売ったり買ったりした人の名義か、闇バイトが作ったもの。しかし口座売買の国内犯と乗せ職を持たない詐欺師の場合はマネーミュールというものを使います。

 

ミュールとは騾馬(らば)のこと。馬とロバを掛け合わせた動物で力が強くモノを運ぶのに適した動物。しかしラバは自分の運んでいる者がなんだか知りません。同様にして、マネーミュールは何も知らずにお金を受け取って転送します。詐欺師たちは足がつくので被害者の振込先を自分自身の口座番号にすることはありません。その中継点になるのがマネーミュール。受け取ったお金を忠実に転送します。もちろん自分の分け前を差し引いて。

 

このマネーミュールは、詐欺被害者から育成される場合が多いと思われます。一方で、詐欺師の知り合い(たとえば外国で出稼ぎしている人など)に依頼することもあるようです。

 

このとき、口座名義人と全く同じ名前のイスタンブール在住のガーナ人のアカウントをフェースブックで見つけました。たまたま同姓同名なだけかもしれません。

 

フェースブックの同姓同名のイスタンブールのガーナ人がその人物かどうかは別として、おそらく名義人はトルコに出稼ぎに行っているガーナ人です。(名前がガーナの名前でした。) トルコ在住の出稼ぎ労働者か留学生が、お小遣い稼ぎのために犯罪とは知らずに外国からの振り込みを受け取って自分の給料を本国に送るのと同じようにして知り合い(詐欺師)に転送していたのかもしれません。

 

このお金の中継点になる人物が複数の被害者からお金を受け取り複数の詐欺師に転送している場合、Slip(振り込み明細書)がないとどこから来たどのお金が誰に送るべきものなのかを判別できません。そのため、Slipが必要となります。

 

 

 ところでSakawa Boysってどういう意味?

 

ナイジェリアのYahoo Boysに対して、ガーナはSakawa Boysと言いますが、このサカワとは何でしょうか。

 

サカワは、現代的なインターネット詐欺とアフリカの伝統的な儀式を組み合わせた違法な慣行を指すガーナの言葉です。「サカワ」とはハウサ語で、「中に入れる」や「お金を稼ぐ方法」という意味です。被害者をスピリチャル的に操作し、詐欺が成功するようにするための儀式はオカルト的で生け贄の形をとるそうです。そしてその慣行を行なうガーナの詐欺師たちが、「サカワボーイズ」と呼ばれています。

(英文Wikipediaより)

 

 

 

AIが生成したガーナの首都アクラの近代的な背景の前に広がる

活気に満ちた青空市場の様子。