わたしの名前はレイ。40代独身、外資系企業のHRマネージャーとして、日々の生活に追われています。

 

このブログで綴るのは、過去の一幕。わたしにとって忘れがたい、国際ロマンス詐欺の経験です。

 

記憶は2022年3月にさかのぼります。当時、ウクライナの情勢がニュースを賑わせていました。その中で、シリアについての報道は影を潜めていましたが、内戦は依然として続いていました。

 

そんなある日、フェースブックで「ギャリー」と名乗る人物から友達リクエストが届きました。Garyて名前知ってる? アメリカではゲイリーと呼ぶのが多いかもしれません。ゲイリー・クーパーとかゲイリー・オールドマンとかアメリカの映画界で活躍する俳優さんがいますね。ゲイリー・オールドマンはイギリス人ですが活動が主にアメリカです。でも私はこの綴りだとギャリーって読みます。

 

親の転勤でイギリスで過ごしていた小学校時代、クラスメイトで仲良しのシャロンをいじめていた悪ガキの名前がギャリーでした。シャロンがいじめられて泣かされるたびに、カンフーのポーズで蹴飛ばしてやっていました。

 

その記憶が頭をよぎりつつ、わたしは承認をクリックしました。しかし、彼は小学校時代のギャリーではありませんでした。50代のイギリス人ジャーナリストで、現在はシリアにいるとのこと。プロフィール写真を見ると薄毛が特徴的なその彼と、通勤電車の中でメッセンジャーを通じて会話を始めました。

 

ギャリーはシリアの現状を教えてくれました。物価の高騰、子供や女性の犠牲.、そしてコロナ..彼の言葉にはシリアの悲惨な現実がにじみ出ていました。わたしの心は、その話に深く動かされました。

 

こうして、ギャリーとのやりとりがスタートしました。その時はまだ知らなかった、この出会いがわたしの人生に大きな影響を及ぼすとは。