開けてはいけない玉手箱。
時間はあっという間に過ぎてしまって取り戻せないものなんだと
今日あらためて思いました。

今住んでいる町に来た頃、
飲み屋で会うとすごく良くしてくださる
ダンディーな伯父様がいらっしゃいました。
いつも運転手付きで飲みにいらしていたその方と
興味が湧くお話をさせていただいて
たくさんお勉強をさせていただきました。

さすがにお付きの方がいらっしゃるので
お偉いかただと思っていましたが、
プライベートでいらっしゃってますし、
とても楽しかったので名字しかお聞きしなかったのです。

ここ数年、夜も働き初めて忙しかったのと、
彼に会いたいのを優先してしまっていたため
あまり昔のようにそのお店に顔を出さなかったのです。
最近、運転手の方を見なくなったナァーって
思っていたら
半年前に伯父様はお亡くなりになられたそうです。
73歳でガンだったそうです。

新聞にも記事が出ていたそうですが、
新聞をとっていないし、
仕事関係で共通の知り合いの方がいらっしゃるわけではなかったので
今日まで知りませんでした。

新しい場所に来て
居場所と空間に溶け込む事ができたのも
伯父様のおかげだと思っています。

もっと顔を出していれば
お話できたし、
最後のお別れもできたのかと思うと
悲しい気持ちになってしまいます。

玉手箱を開けてはしまった気がします。
2年近く遠ざかっていた場所が遠く恋しく思ってしまう本日です。

いつでも前のように
同じメンバーで笑って楽しく過ごせたら……
変わっていないようでも毎年年を取ります。
老いて行きます。

私の流れはかわりないように思えて
人と疎遠になってしまったり、仕事が変わってしまったり
すすんでいるんですね。

これからは今あるものを
できるだけこぼさないように手にいっぱい握りしめて
過ごして行きたいと思います。